テレビ番組の鍼灸特集で伝えていないもの
先日、NHKのためしてガッテン!にて鍼灸治療がとりあげられていました。
昨年から、特番があったり、あさイチで紹介されたり、なにかと東洋医学にフォーカスしている感のあるNHK。
とはいえ、だいたいいつも内容は似たような感じかな?という印象です。
鍼灸治療や漢方などの東洋医学が全国区のテレビ番組で紹介されるのは、ふだんマイナーな立ち位置であるので喜ばしく思います。
鍼灸治療に興味を持ってくれる人が増えるといいなと。
でもせっかく取り上げるのであれば、もう少し理論的なバックボーンの説明もあってよいように思います。
東洋の神秘、とかはり1本で○○が治った!とかいうキワモノ扱いでは、結局なんで効くのか?はあいまいのままです。
なんだかよくわからないけどすごい。
なんだかよくわからないけど効きそう。
この”なんかよくわからないけど”という枕詞は取れないんですよね。。
東洋医学の考え方、陰陽五行説、肝心脾肺腎、虚実…たしかになじみはないし、理解は難しいと思います。
でも、難しいながらも、西洋医学とはまた違うけどきちんとした理論に基づいてやってるんだということを伝えないと、いつまでもスピリチュアルとか胡散臭いとか言われてしまうのではないかなという危惧を感じたりもします。
東洋医学の理論は、特別な鍼灸の一派とか学会がとなえていることではなく、東洋医学の基本として必ず勉強するし、科目の一つとして国試にも出ます。
鍼灸師はみんな一応わかってやっているはずなんですね。
番組では中医学の先生や明治鍼灸大学に協力を依頼しているように見えるので、そういうことはあえて飛ばしてるのかもしれない。
でもせめて、経絡というからだをめぐっている流れがあり、ツボはその経絡上に点在する経穴というポイントなんだくらいは言ってもいい気がするんだけれど。
だから患部から遠くのツボでも治療ができるんだ、という説明はつきますし。
それに、大学とか西洋医学の病院という権威から東洋医学の効果を保証するような流れがちょっと残念に思います。
在野の、鍼灸治療だけに専念して何十年も続けられている素晴らしい先生方にも光をあててほしいな。
まあそんな感じで思うところはいろいろありますが、鍼灸治療の認知が少しずつでも広まることは、それはそれでいいことですね。