鍼灸院ってどんなところ?鍼灸を知って活用しよう!
鍼灸院ってなじみがないし、どんなとき、どこにいけばいいのかわからない。
はりやお灸がからだに良さそうと思っていても、いざ鍼灸院に行こうと考えたとき、このようなお悩みがあると思います。
そこで今回は鍼灸院について説明してみたいと思います。
鍼灸とは
はり(鍼・針)やお灸を使って刺激を与え、からだの不調を取り除き、改善していく治療のことです。
鍼灸ってなんだろう? <鍼灸の歴史>|一般の方へ|社団法人 日本鍼灸師会
鍼灸治療を行うには、厚生労働省認可の養成学校(専門学校・大学)で所定の単位を取得して卒業しかつ国家試験に合格して得られる「はり師」「きゅう師」の資格が必要です。
(あはき法 第1条)
鍼灸治療の種類
鍼灸治療にも、やり方などの違いがいくつかあります。
また、繊細な技術の上に成り立つ施術なので、鍼灸師それぞれが身に付けたやり方の細かい違いがあります。
経絡治療
日本の伝統的な治療法にもとづくはりきゅうです。
治療体系は東洋医学の基礎となる中国の古典に基づきますが、江戸時代より日本独自の考え方も生まれ、それらは戦後にまとめあげられました。
方法や考え方の違いによりいくつかの流派もあります。
そのため、経絡治療学会にて勉強された方の鍼灸院などでは経絡治療と言ったり、東洋はり医学会にて勉強された方の鍼灸院では脉診流と言ったりします。
東洋医学の考え方に基づき、経穴(ツボ)を治療内容にもとづいて選んではりやお灸を施します。
なお、注射針や縫い針などの太い針を連想することを避けたいこともあり、「鍼」の漢字を使用していることがほとんどです。
特徴は
・部分的なケガや不調でも、全身を診る
・手首の脈やおなか、舌の状態を診て、からだの状態を見立てる
・髪の毛と同じくらいの細いはりを、鍼管という筒状のものに差し入れて使用する
・基本的にあまり深く(1cm以上)刺入しない
・院長が一人、夫婦で、など小規模な院が多い
となります。
使用するはりの数は様々です。
中医学(中国針灸)
中医学の考えにもとづいたはりきゅうです。
中国針灸も東洋医学の考え方にもとづいているのですが、病の見立て方などが異なります。
そのため結果的に使う経穴(ツボ)が同じものだったりすることもあります。
例えば、
ストレスで胃が痛くなった時の見立て方は
経絡治療→肝虚熱証で胃に熱が及んだため
中国針灸→肝火犯胃の状態になっている
となります。内容はだいたい同じです。
なお、中医学では「針」の漢字を用いることが多いです。中国本土ではこちらの感じが一般的なのかもしれません。
特徴は
・部分的なケガや不調でも全身を診る
・手首の脈や舌の状態を診て、からだの状態を見立てる(弁証という)
・日本のはりより太く長い針を、直接刺入する。(痛くはない)
・深く刺すことが多い
・得気という独特のズンと響く感じがするように刺す
・はりの数は多め
となります。
現代鍼灸
東洋医学的な考え方は用いず、またあまり経穴を意識することなく、筋肉に刺激を与えることを目的とした治療が多いです。
はりを目的の筋肉に刺して通電させ、パルスを送って伸縮させるなどの使い方もします。
特徴
・患部のみの部分的な治療が多い
・筋肉に刺入するため、深く刺す
・はりの太さは経絡治療と中国針灸の中間くらい
となります。
鍼灸治療を受けられるところ
鍼灸師は独立開業できますので、資格者があれば様々な施設で施術ができるため、治療を受けられるところはいつくかあります。
鍼灸院
鍼灸院という場合は、ほとんどはりとお灸のみでの施術ですが、温熱器や吸い玉など様々な設備や道具を使って付随的な治療を行っている場合もあります。
鍼灸マッサージ院
鍼灸師の他「あんま指圧マッサージ師」という国家資格をもって治療に当たっている治療院です。
3つの資格を一人でもっている方、それぞれの資格をもった複数の従業員のいる院があります。
ここでの鍼灸の治療のタイプは様々です。
鍼灸整骨院
鍼灸師の他「柔道整復師」という国家資格をもって治療に当たっている治療院です。
上記と同じく、3つの資格を一人でもっている方、それぞれの資格をもった複数の従業員のいる院があります。
鍼灸のタイプは現代鍼灸が多いようですが、鍼灸治療は鍼灸師が単独で別にコースを持っているところもあります。
中国針灸院
中国針灸のやり方の治療院です。
吸い玉などの治療も併用している場合があります。
その他
整形外科、美容サロン、リハビリ施設などでも鍼灸治療を行っているところがあります。
同じ鍼灸院でもいろいろなタイプがあります。
ご自分にあった治療院をみつけるのにお役立ていただければさいわいです。