指が伸ばせない!~ばね指にはお灸もおすすめです。
最近、スマホが原因でばね指になる人が増えているそうです。
ばね指とは、曲げた指が伸ばしづらく、無理に伸ばそうとすると弾けるように伸びることから名前のついた症状です。
指は、肘から手首手前まで伸びた筋肉の先から腱というひもが指先の骨にくっついていて、筋肉が縮むと腱が引っ張られて指が曲がるという仕組みになっています。
その腱があちこち動き回らないよう、腱鞘という、結束バンドみたいなもので何か所か止めてあります。
指を使いすぎると、腱は何度も腱鞘の中を行き来するので、炎症が起こり、腫れてきます。
そうすると腱の腫れた部分が腱鞘を通り抜けられなくなり、頑張って伸ばすと、腫れた部分がいきなり腱鞘を通り抜けていくので、指が弾けるように動く、これがばね指です。
指が伸ばしづらいこと、痛みがあることで、とても不便とつらさを感じる症状になります。
治療は主に、
1保存的療法(安静にする)
2ステロイド注射(炎症を抑える)
3手術(腱鞘を切開する)
というステップをたどります。
若い人や、症状が出てすぐの時は、1の保存的療法で治る場合もあります。
しかし、慢性化してなかなか治らない場合は2のステロイド注射を行います。
炎症が落ち着いて腫れた部分が硬くなってしまうと治りづらくなり、手術となることが多いようです。
鍼灸での治療
1肝虚証の治療
指の使い過ぎは血を消耗していると考えるので、肝虚証の治療をまず行います。
からだの血のめぐりを整え、筋肉を潤わせるように働きかけます。
2患部の治療
痛む部分には、経穴は関係なく、直接鍼をあてます。
一番痛くて、硬くなっているポイントを取るようにします。
またそのポイントに、炎症を抑えるため小さいお灸をします。
3肩や背部のコリを取る
指の症状ですが、その先にある腕、肩、背中などのコリも影響を与えていますので、はりとお灸でコリを取ります。
4自宅で毎日お灸をする
鍼灸院では直接灸といって、もぐさを小さくひねったものに火をつけてお灸しますが、自宅でも市販のお灸をすえると回復が早くなります。
早めに治療を始めれば、患部が固まってしまう前に治ることが多いと思います。
一度できれいに治れば一番ですが、何度か繰り返し治療をすることで、徐々に痛みが取れ、動きがよくなります。
手術をしてばね指が治っても、指全体の動きがよくないままになってしまうこともあります。
最終手段である手術に至る前に、鍼灸治療を試していただければと思います。