悩ましい便秘…。原因と解消法とは
便秘とは、便が週2、3回しか出ない、排便はあるがスッキリしないなど、排出すべき便が大腸に留まっている状態のことです。
病気とも言えないですが、苦しかったり、肌が荒れたり、体調に悪い影響を与えることもよくあります。
そんな便秘に悩む女性は案外多く、なかなか頑固な傾向にあります。
便秘の原因
病気によるもの
過敏性腸症候群の場合、便秘が続いたり、下痢と便秘を繰り返す症状が出ます。
大腸がんも、便秘が症状になる場合があります。
その他糖尿病など便秘となり病気があります。
薬によるもの
便秘を引き起こしやすいお薬があります。長期にわたり服用している薬があって便秘が続く場合は、処方した医師に相談してみるとよいと思います。
生活が不規則
腸をはじめ消化管は自律神経が支配しています。腸の動きを活発にするのは副交感神経です。副交感神経はからだが休息状態の時に働きますので、過労などで生活が乱れるとそれが便秘につながりやすくなります。
偏った食生活
食物繊維の少ない、たんぱく質の多い食事だと便秘になりやすく、また水分が足りないとか、お酒を飲みすぎて脱水傾向だったりしても便が硬くなり便秘につながります。
運動不足
運動不足はおなかへの刺激が少なくなりますし、便を押し出す腹筋の力が低下すると、出にくくなります。
便意を我慢する
人間には、「胃直腸反射」と言って、胃に食べ物が入った刺激で直腸が動き出すという反射の作用があります。
この作用は朝ごはんの時が一番はっきり表れますので、忙しくて時間がないとか、朝ごはんは食べないとかでこの反射を利用しないと、便を出すタイミングを失い、出しにくくなってしまいます。
下剤の飲みすぎ
便秘だからといって日常的に下剤を服用していると、からだがその刺激に慣れてしまい、かえって便秘を増長していしまいます。
これら原因のどれかに心当たりがあれば、それをなくすように心がけて生活することが大事です。
東洋医学的に見た便秘
便秘はよくみられる症状でもあるため、東洋医学でも細かく原因を考えることができます。
からだに熱が多い場合の便秘
寝不足や過労、ストレスなどでからだの陰が虚し(損なわれ)、相対的に熱が旺盛になると、水分が少なくなって便秘になります。
この場合の便秘は、おなかが張って苦しい感じがします。
また、高齢者は腎が虚していることで陰虚になりやすく、年齢によるものなので頑固だったり慢性的な便秘になります。
出産などで血が少ない(血虚)時に、からだの水分が損なわれることで便秘になることがあります。
瘀血があっても、秘傾向になります。瘀血によって熱が大腸に停滞したり、血そのものが乾くので水分が不足して便秘になります。また便は出ても硬く、コロコロした感じです。
旅行先で便秘になるのは気秘といって気の滞りが原因です。慣れない場所、他人と過ごすことなどによるストレスが気を滞らせるためですが、旅行に限らずストレスがあると便秘になりやすいといえます。
からだが冷えているための便秘
からだが冷えていると、通常の反応としては下痢になりますが、小便の回数が多いなどで水分が少ない状態にあると便秘になります。
冷えが原因の便秘は、あまりおなかが痛くなったり、張ったりする不快感が少なく、何日も出なくても案外平気でいられることが多いです。
また、冷えによる気の停滞があると、肺の表裏関係にある大腸が働かずに便秘になります。
このタイプの便秘に下剤を使うと体力を消耗してますます寒証がすすみますので、体力を付けたり、からだを温めたりします。
体質的に冷えている方の便秘は頑固でなかなか解消しにくい傾向です。
食物繊維を多くとるなど腸を刺激するのも、この便秘の場合よくないことがあります。
東洋医学では体質やその時の状況で便秘の原因が違いますので、治療も変わってきます。
これをしたら治る!というものはなく、様々な要因から便秘が引き起こされます。
からだにあった対処法をとることが大事になってきますので、安易に薬に頼らずにからだの状態を見極めたうえで対応するのがよいと思います。