円形脱毛を見つけたら、自分に優しく。
コインくらいの大きさの脱毛を、ある日突如発見する。
場所によっては美容師さんに指摘されて初めて気づくこともあります。
円形脱毛症は、原因不明とされていきましたが、現在は自己免疫の異常によるという説が有力とされています。
他にも甲状腺の病気がもとにあったり、遺伝が示唆されたりもしていますが、原因の特定はまだされていないようです。
一時的な脱毛症は、ストレスのことが多いですが、特に心当たりなく発生することもあります。
この円形脱毛症ですが、鍼灸での治療でよくなることが多い症状です。
本来生えている毛髪が抜けるということは、頭皮だけが問題なのではありません。
からだの中でのなんらかのバランスが崩れているから、毛根の働きがうまくいかなくなると考えられます。
髪は血の余りと言われています。
(なお、爪は筋の余り、歯は骨の余りです。)
血は血液の意味だけでなく、潤いや栄養を全身にもたらすものと考えますので、脱毛に限らず毛が細い、薄い、ぼこぼこしているなどの髪の異常は、血が十分にめぐっていないために起こります。
また、過度のストレスは血を消耗するので、ストレスが円形脱毛症の原因となるということも、東洋医学の考え方では自然です。
治療においても、円形脱毛症になった方は、やはりストレスに対して心当たりがある場合が多いように思います。
血は全身をめぐっていて全身で必要とされていますので、血の不足が円形脱毛として現れるか、他の場所で違う症状として現れるかは体質などによるのだと思います。
誰にでも他より少し弱いところはあります。
それはからだからのSOSが出やすい場所、からだのクセのようなものと考えることができるのではないでしょうか。
円形脱毛をみつけたときはショックかと思いますが、脱毛だけを治そうとするのではなく、ぜひからだ全体をケアすることを考えてほしいです。
鍼灸治療では、そうしたからだのバランスの乱れを整えたり、心身をリラックスさせることが可能です。
それと同時に、脱毛部分には直接はりやお灸を施して、発毛を促す治療も行いますので、自然に生えてくるのを待つより早く回復します。
血が不足するのは証でいうところの肝虚証になっていることが多いのですが、肝虚証になりやすいタイプの人は、完璧主義だったり、根を詰めて仕事してしまう方が多いです。
自分のからだは、自分の最高の味方です。
どうか優しくしてあげてくださいね。