女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

春分の日なので、陰陽について。

今日は春分の日で、昼と夜の時間が同じです。

つまり、陰陽のバランスが同じになっている日になります。

明日からは陽が旺盛になっていく時期になりまして、冬は陰を養い、消耗しないためにじっとしていましたが、これからはからだを動かして陽気を十分にめぐらせ、発散させてやり、陽を養うのがよい季節です。

陽は活動的な気なので、停滞したりすると熱をもったりして、それが病のもととなるのです。

とはいえ、汗をかきすぎたりして陽を消耗してしまうと今度はからだが冷えてしまうので、なかなかバランスが難しいところでもありますが。

 

さて、東洋医学には「陰主陽従」という言葉があります。

陰と陽は対等でお互いにバランスを取りあう関係ではありますが、人体における陰陽つまり臓腑は、臓が指示して陽を働かすという関係性があります。

陰がしっかりしていることで陽が活動できるというバランスの取り方になっているとも言えるかもしれません。

 

先日病の深さの話で、陰の方が奥に存在することに触れました。↓

 

subaruhari9.hatenablog.com

陰の性質(静、暗、下、内、水、寒、冬、夜など)から言っても、陰がからだの奥でじっとしているのに対し、陽(動、明、上、外、火、熱、夏、昼など)はからだの表面で活発に動いているというわけです。

 

会社のような組織で考えるとわかりやすいですが、社長(陰)は会社の一番奥とか上階にいて、あくせく働くことはありませんが重要な方針を決定し、社員(陽)はそれにもとづいててきぱきとタスクを果たすべく動き回ります。

 

ひとのからだも同じで、五臓はそれぞれの陰陽で対になっている腑を働かせています。

肺や心など陽の気も持っている臓は自らも仕事しますが、脾は中央にあり陰中の至陰と言われ、指示だけ出して胃を働かせています。

そうして陰である五臓のどこかに虚があると、その影響が陽である腑に行き、様々な病理状態を呈してくるわけです。

これまでも出てきましたが、肝虚証だと不眠や頭痛、イライラするとか、肺虚証だと悪寒、発熱などです。

これを細かくみると、肝虚証で肝の陰陽のバランスが乱れて陰が虚して陽が旺盛になると、肝と陰陽関係にある腑の胆が熱を受け、胆経に熱が波及するので、胆経が通っている頭に熱がこもる、という流れで頭痛や不眠などの病症が現れます。

 

人体でも組織でも、陰がしっかりして陽が十分に活躍できる状況が、一番健康的ですよ、ということを端的に表しているのが「陰主陽従」という訳です。

 

これを家庭に置き換えると、陰=女、陽=男なので、女性がしっかりと家庭を運営して男性がそれに応じた活動をする状態がいいと言えるかもしれません。

俺の方が稼いでいるからエラいとか何もしなくていいんだという発想は、陰主陽従の考え方からしたら、話にならないということがわかると思います。

稼ぐのは家庭運営には大事ですが、それが必要なことの全てではありません。

陰(妻)あっての陽(夫)、そういった独りよがりの考えでは家庭は成り立ちませんね。

反対に陰が強すぎると家庭は冷えますし、陰がぶれると家庭全体に影響が及びます。

 

陰陽は対立する要素ではありません。互いが存在することで己が成り立っています。

バランスが大事なのは、どんな場合でも言えることなのです。

 

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