女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

眠れない、目が覚めてしまう…つらい不眠を解消しよう。

ベッドに入ってもなかなか眠れない。

夜中に何度も目が覚める。

など、不眠に悩む方はとても多いです。 

睡眠がきちんと取れていないと、日中の活動がつらくなりますね。
眠れない焦りや、眠れず朝になってしまったがっかり感など、気分もよくないです。
ダルいだけならまだしも、ミスが増えたり、イライラしたりで生活に支障が出るようなってしまっては問題ですし、いろんな不調の原因にもなってきます。


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不眠とは

日本睡眠学会では以下の4つに分類しています。

これらの状態がしばらくの間見られたら、不眠と考えます。


入眠障害…布団に入って1時間以上経っても眠れない
中途覚醒…途中で何度も目が覚める、覚めた後眠れない場合も
早朝覚醒…起きたい時間の2時間以上早く目が覚める
熟眠障害…ぐっすり寝た気がしない

単独ではなく、組み合わさって現れる場合もよくあります。


不眠が続くと

眠気やだるさで仕事の効率が上がらない。

集中力が落ち、思考がまとまらなくなる。

イライラなど心の余裕がなくなる。

風邪を引きやすくなるなど、体調を崩しやすくなる。

高血圧や熱中症など、様々な病気の原因となる。

このような状態を引き起こしてしまいます。

不眠の原因

ストレス
生活リズムの乱れ
明るい、うるさいなどの刺激
加齢
病気
などがあります。
これらが原因となり、自律神経のバランスが乱れ、眠るときに活動する副交感神経がうまく働かず、交感神経が活動っしっぱなしになっている状態になっています。

睡眠中に体のなかで行われていること

考えてみると睡眠とは不思議な現象ですよね。
一時的に意識レベルがさがる状態。
軽い刺激では目覚めないということは、無防備な状態にあるということ。

生き物にとっては危険です。

そういうリスクを負っても体にとっては必要なものだとも言えます。

なぜ睡眠が必要なのか、それは睡眠中に体のメンテナンスを行っているからです。
日中にインプットされた情報や記憶の整理

胃や腸では食べたものの消化吸収

そのなかでも一番忙しいのが肝臓で、その仕事は、タンパク質の生成、解毒、血糖値調整、古い赤血球の処分、免疫活動など多岐にわたります。
寝ている間は日中活動のために筋肉に回っていた血液が肝臓に集まり、これらの仕事をしています。
睡眠が足りないと、こういったからだのメンテナンス作業が疎かになってしまうのです。

鍼灸治療と不眠によいツボ

眠れなくて、、といって鍼灸の治療に来る方はほとんどいらっしゃいませんが、問診すると不眠を患っている場合は多いです。
鍼灸治療は、いってみれば副交感神経を優位に持っていき、体のメンテナンス能力を高めて、自らの力で回復することをお手伝いするようなものです。
なので大概の場合、鍼灸治療そのものが不眠の治療につながっています。
そのため、「治療した日の夜、よく眠れました」という感想をいただくことが多いです。
不眠にフォーカスして鍼灸治療を見てみますと、東洋医学的には不眠の原因は体に熱が必要以上に多い状態だから、と考えます。
熱は活動のもとですから、体に熱=交感神経優位という状態をとらえたもの、ともいえます。
睡眠中は肝臓に血液が集まるように、東洋医学的にも、熱は日中は体表を巡り、夜は体内に戻ると考えられています。


入眠障害
これは胸から上に熱がこもっている状態。
自然現象として熱は上昇するので、余分な熱は体の上部である頭にこもりやすくなります。そしてそれが目から出ようとするので、眠れなくなる。
なのでまずは頭に熱がこもりやすくなることを避けるとよいです。
寝る前にテレビやスマホ見ないとか、考え事をしないとか。
証でいうと肝虚熱証です。

おすすめのツボ:百会

両耳のてっぺんから伸ばした線と体の中心線とが交差した点にあります。

深呼吸して息を吐きながらグーッと押してみてください。

中途覚醒
これは、体の中心に余分な熱が多くて、それが寝てしばらくして頭に上るとか、逆に体の熱が体内に戻れず、それが上昇してしまう場合とあります。
温かい飲み物をとるとよかったりします。
脾虚証に多いですが、どんな証でも見られるように思います。

おすすめのツボ:中脘(ちゅうかん)

みぞおちとおへそを結ぶ線の中心点にあります。

温めるように指先を置きます。

早朝覚醒
高齢者に多いのですが、熱が多いというか、陰が少なくなって相対的に陽である熱が多くなっている状態です。
一時的に熱(陽)が多くなってるのではなく、陰陽のバランスが慢性的に陽に傾いている訳です。
加齢などで仕方ない部分もありますが、日中を活動的に過ごすとかして陰陽のメリハリをつけるようにするといい傾向かもです。
腎虚証に多いです。
おすすめのツボ:復溜(ふくりゅう)

うちくるぶしとアキレス腱の中間の点から指3本分あがったところ

親指でぐっと押し上げるように押してみてください。

失眠(しつみん)

足の裏の、かかとの中心にあります。

このツボは、お灸が効果的です。


全然眠れない

すごく運動した日の夜など、まったく眠れないことがあります。

血を消耗しすぎたためで、からだの中心に帰る血が足りない状態です。

産後、過度の緊張、精神疾患でもまったく眠れない状態になることがあります。

原因が様々なので、それによってよいツボも変わってきます。

一時的なものは気にしないでよいですが、産後などの場合は体のケアが必要な状態になっていると思います。

 

眠らなくても平気

躁状態とか、興奮状態になっていると、眠らなくても気にしないで起きていられる場合があります。

本人はつらくないので気にしないかもしれませんが、ケアは必要な状態です。(ツボ押しとかではない、きちんとした治療)

 

眠くて仕方ない

からだのエネルギーが低下している状態です。

高齢者も元気なうちは不眠傾向ですが、弱ったり病気がちで体力が落ちてくると嗜眠(ねむりたがる)になります。

疲れがたまっているとき、緊張が解けた時なども嗜眠になります。

疲れを取り、体力をつけなければならないので、ご自分でツボ押しするより、しっかりと治療した方が回復につながります。