妊活によさそうなおかずを考えてみました。
これまで、不妊の原因はざっくりと「冷え」か「血の滞り」として説明をしてきました。
冷えも血の滞りも、体質になってしまっているので改善は簡単ではありません。
筋肉トレーニングやダイエットのように、からだを変えていくのは一朝一夕では難しいのです。
ジムでトレーナーさんについてもらってトレーニングのメニューを考えてもらうように、周りの力をうまく借りながら進めることも、効率よく改善していくにはよいと思います。
そういう意味では、鍼灸治療に通うこともそれと似てると言えるかもしれません。
また、自分で普段からできることを少しずつでもやっていくことも大事です。
妊活で普段からやれることのひとつに、食事を見直すことが挙げられると思います。
からだを内側から温めたり、エネルギーを生み出すような食べ物、気血のめぐりをよくして瘀血を取り除いたり、予防したりする食べ物を取り入れるようにすれば、何もしないよりからだの改善につながっていきます。
でも何を食べればいいのか具体的に思い浮かばない、、と思われる方に、薬膳の観点から見たおかずをいくつかご紹介したいと思います。
薬膳では、食べ物を「熱・温・平・涼・寒」に分けて考えます。
また食材によっては、五行に分けられるものもあります。
たとえば五蓄というのがありまして、木火土金水の順に「鶏・羊・牛・馬・豚」となっています。
これらを考慮したメニューをいくつか挙げてみます。
※なお、薬膳の分類は必ずしも統一されていないので、ここでは鍼灸の専門学校に通っていたとき受けた薬膳の授業の内容をベースにしています。
冷えのある方向けのメニュー
味噌味のニラレバ
ニラは陽を補う食材で、からだを温めます。
レバーは赤身肉の一種で、補血によいです。
味噌は発酵食品であり、豆類からできているので、補気によいです。
にんにくや生姜も薬味として使いましょう。
からだを温めて気血を補うおすすめのおかずです。
牛こま切れ肉とキノコのパスタ
小麦は涼性ですが、麺類を避けてはストレスが溜まりますので、他で補います。
牛肉は赤身の多いものを選んでください。赤身肉は補血の働きがあります。
キノコは気を補い、消化を助けます。
キャベツとえびの塩炒め
キャベツは葉物野菜ですが、補気の作用があり、胃腸の働きを助けます。
えびは補陽の働きがあります。
にんにくで味付けすると、からだが温まります。
卵も補気の働きがあるので、溶き卵でからめるのもいいですね。
血の滞りがちな方へのメニュー
シソと鶏肉の水餃子
気の巡りをよくし(理気)、消化を助けるシソと、からだを温める鶏肉でさっぱりとした水餃子です。
スープには千切りの生姜をいれて、気の巡りをよくします。
イワシのつみれと里芋のすまし汁
青魚は補血の働きがあります。
里芋はいも類のなかでも活血の作用がありますので、血の滞り解消に向いています。
つみれには生姜を少し入れると、臭み消しだけでなくからだを温めます
アジの南蛮漬け
青魚は活血にもよいとされています。
玉ねぎ(活血)、ニンジン(健胃)、ピーマン(去寒)それぞれ血の巡りをよくするのに役立ちます。
お酢もお血を散らすのによい食材です。
なお、避けた方がよい食材はからだを冷やすものになります。
ゴーヤなどの苦味のある野菜、キュウリや冬瓜などの瓜類、水分の多い食材(フルーツも)、貝類、根菜(大根やゴボウなど、意外に冷やす食材が多いです)、そばなどです。
とはいえ、あまり神経質になる必要もありません。
一度にたくさんとらない、他の食材で補う、調理法を工夫するなどで摂ることができます。
薬膳は、難しい食材を使わなくてもそれぞれの食材の特徴をいかして用いれば、簡単に取り入れることができます。
ちょっと意識して献立を考えてみるのもよいですね。