女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

口が開かない(>_<)!顎関節症の治療例をご紹介します。

なにか食べようとして大きく口を開けたり、あくびしたりした時などに、耳の下、顎のつけ根が痛くなったことはないでしょうか。
あるいは気づいたらおしゃべりしていると顎が疲れてくる、カクカク、ゴリゴリ音がする、無意識的に大きな口を開けなくなっていた、など激しい症状はなくても違和感を感じたり、不快な状態になっていた、ということもあるかもしれません。

 

顎関節症のしくみ

歯は上下に並んでいますが、動くのは顎についている下側のみです。
頭蓋骨に下顎の骨が耳の下の関節のところを支点としてぶら下がっている状態になっていて、下顎の骨が動くことで噛むことができます。
下顎の骨は咀嚼筋などの筋肉や腱が支えてちょうどよい位置を保っていますが、ジョイント部である顎関節の負荷が高まると痛みとなって現れます。
つまり顎を支える筋肉の調子がよくないと、うまく動かなくなるわけです。

 

顎関節症の原因

顎関節症は、はっきりした原因はわからないことも多いです。
噛み合わせが原因とされていた過去もあったようですが、現在は様々な要因が組み合わされて発生すると考えられています。

  • 身体的、精神的ストレス
  • 噛み合わせ
  • 歯の治療後の違和感
  • 歯ぎしり癖

など

ストレスは血流を悪くするので、筋肉の動きがスムーズにいかなくなります。顎に限らず、腰痛だったり、頭痛だったりを引き起こします。

噛み合わせが悪いと、悪いところをフォローしようと、余計な筋肉が使われたりします。常時その状態にあると、筋肉も疲労してきますので、痛みが発生することになります。
歯の治療の後も同じように、ストレスが余計な緊張をもたらしているために、筋肉に負荷がかかってしまいます。

歯ぎしりは就寝中のことが多いので、ほとんどの場合、自覚がありませんが、歯がすり減るほどの力がかかっています。歯にかかる力は想像以上です。朝起きて顎が痛い場合は、歯ぎしりを疑います。

 

顎関節症の治療

関節そのものが原因となっている訳ではないので、手術など外科的手段をとることはあまりないと思います。
歯ぎしりのある方はマウスピースを作って顎への負担を軽くしたりします。また、痛み止や筋肉の血流をよくする薬が処方されることもあるようです。
とはいえ、根本的治療となると意外と難しいのが現状のようです。

 

鍼灸治療では

筋肉の動きが悪くなっていることから、筋肉を動かす血が足りない状態になっていることが多いため、証でいえば肝虚証のことが多いです。
痛みのある顎の付け根のほかにも、腕や肩のこりや押して痛いポイントを治療します。

 

治療例

結果が顕著だった2例をご紹介します。

1)慢性的な顎関節症が和らいだ例

もともと逆子の治療でいらした8ヶ月の妊婦さんでした。
妊娠前から顎の調子はよくないが、最近では大きく口を開けられない状態。肘の関節の音が聞こえるというお話もありました。
顎の状態は、、、
顎のカクカクする感じと肘の関節の音どちらも収まり、口も全開ではないようでしたが大きく開くようになり、ビックリされていました。
ただ2回目にいらしたときはまた少し戻ってしまっていて、継続的な治療が望ましかったのですが、逆子が直ったことにより通院はいったん終了となりました。

 

2)顎の痛みだと思っていたが、歯が原因だった例

数日前より、何かの拍子に左の顎の付け根付近に激痛が走ることがある。
心当たりはあまり思いつかず、あるとしたら3ヶ月ほど前に親知らずを抜いたことぐらい。
顎の周りのこわばりや固さに顕著なものはなく、口は開く(痛くない)。歯の治療によりお血(血の滞り)ができたと考え、大腸経を瀉法する治療をとってみる。
次のご来院の時、前回の治療のあと、顎の痛みは出なくなり、代わりに奥から2番目の歯の奥に痛みを感じるようになった。

歯医者でその旨を伝えたところ、痛みの出ている部分の歯根に問題があることがわかり、その場所を治療後、痛みはなくなった。とのお話。
これはちょっと面白い例というか、鍼灸治療により痛みの原因部位が明確になったというケースでした。

悪いところがはっきりしたために歯医者での治療も短くて済みました。

 

 このように、顎の痛みには鍼灸治療はなかなかよい結果が出る傾向です。

口が開けづらいと食事もままならず、ストレスを感じてしまいますので、気になったら早めに治療していただければと思います。

 

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