五行で考える幸せのカタチ
人によって何を幸せと考えるかはそれぞれ違うと思います。
恋人、家族、お金など手にしている人を見るとうらやましく思ったりすることもあるかもしれないですね。
美味しいものを食べたらもうそれで幸せ!と感じる瞬間もあります。
あいまいな概念であるかのような「幸せ」についても、実は五行で説明されています。
この世のものはなんでも五行で解き明かせる、という一本スジの通った思想が五行説なのかも。
五行説で言うところの福寿禄官印である「五徳」が人の幸せにあたります。
木火土金水→福寿禄官印 と当てはまります。
木は季節で言うと春になります。
春は一年の始まりなので、幸せも福から始まります。
福とは、幸福感
家族や友人など親しい人と過ごす時、美味しいものを食べた時、春が来たと気づいた時など、様々な場面で感じることのできる基本的な感情でもある幸福感が、五徳の「福」になります。
生きていることに対する喜びを意味する「福」。
いかにも五行の「木」らしいイメージです。
小さな幸せかもしれないですが、たくさん見つけられる人はそれだけ幸せといえるのかも。
寿とは、健康・長寿
基本的な幸せを感じることができたら、次はそれができるだけ長く続いてほしいと願うもの。
なので、福の次は「寿」です。
五行では「火」ですが、生きるためのエネルギーって感じがしますね。
現在はからだが不自由だったり病気を抱えても、働いたり活躍したりコミュニケーションを楽しめたりします。
からだだけでなくこころの健康についても「寿」に関わってくるのかも、と思います。
鍼灸治療はこの2番目に基本的な幸せを満たすべく、頑張っています。
禄とは、お金・財産
健康で長生きしたら、必要になってくるもの、欲しくなるものはお金ですね。
健康であれば働くことができ、そうするとお金を稼げるとも言えます。
火生土の相生関係になっているのです。
七福神に福禄寿という神様もいらっしゃいますが、人としてこの3つの幸福が満たされればとりあえずOKではあります。
また、お金とは価値変換の手段でもあります。
労働→お金→物
という具合に。
そして「禄」と同じ五行は「土」であり五臓では「脾」、つまり消化器系です。
種→土→実
食べ物→脾→栄養
というふうに、「禄」も「脾」も、「土」の持つ、様々なものを取り入れ、変化させてしまうというコンセプトは共通しているのです。
官とは、地位・名誉
福禄寿が満たされた先に人が望むのは名誉です。
お金では買うことのできない、そして命にかかわるものでもない、人との関わり合いからくる幸せを求めるようになるわけです。
立派な地位や立場からなかなか退かない人はいます。
お金もあるのになぜ、と思いますが、その先にある幸せを手にすると手放しがたいものなのかもしれません。
ただこれを単なる名誉欲ともいえる一方で、人としての誇り、と考えることもできます。
人としてこうありたい、と願い目指すのもまた「官」のいう幸せかと。
印とは、知恵・知識
健康、お金、地位を手にしたら、最後は智にたどり着くんですね。
定年退職した人が大学に入り直したりしますが、最終的には知識を深めることに人は幸せを見出すようです。
知識が広がるということは、世界が開けるということでもあります。
ここまでこなくても福禄寿だけで十分と思うかもしれません。
が、「印」にまでたどり着くには意味があります。
学問の究極の形のひとつを哲学とすると、哲学は「いかに生きるか」を考える学問です。
つまり人の生きる喜び、人の幸せってなんだろうと考えることは、初めの「福」に戻ることを意味します。
水生木の相生関係が成り立ち、智から基本的な幸せを自覚することができるのです。
自分が今幸せと思えない時、どの段階でつまずいているのかを考えてみるのも、答えのヒントになるかもしれないですね。
まずは「寿」だな、と思ったら鍼灸院にきてみていただきたいです。
小さな幸せ つなぎ合わせよう~♪