五臓を損なう行動とは?
人のからだを支える基本的なシステムとして、東洋医学では肝・心・脾・肺・腎の五臓があると考えます。
以前説明していますね!
五臓にはそれぞれの特徴に応じた働きがある訳ですが、それ故にその働きを傷めてしまう行動が、五行で分類されています。
五労といい、
木ー肝ー久行
火ー心ー久視
土ー脾ー久座
金ー肺ー久臥
土ー腎ー久立
というようになっています。
ひとつずつ、見ていきます。
久行
久しく行けば、肝を傷(やぶ)る
長い間歩く、動くと肝の働きを損なうという意味になります。
肝は血や筋肉をつかさどっています。
長時間行動して筋肉を使い、血を消耗すると肝が弱ってしまうということです。
久視
久しく視れば、心を傷(やぶ)る
長い間視る=目を使いすぎると心の働きを損なうという意味になります。
血を消耗するので、肝にも影響はありますが、目を使うことによる血の消耗は、からだを使わない分心の働きに影響しやすいと言えます。
心の働き、つまり精神的に疲弊する事態を招きます。
つまり、うつや不眠を招くということです。
スマホやパソコンの見すぎで疲れると心も疲れてしまうので、落ち込んでたりするときはちょっと距離をおいたほうがよいかもしれません。
久座
久しく座すると、脾を傷(やぶ)る
長い間座っている=からだを使わないでいると、脾の働きを損なうということになります。
運動しないでじっとしていると、からだの肉が落ちます。
消化機能も働きが悪くなります。
また、座り込んで動かないということは、考え事に没頭していると解釈もできます。
考え事、悩む事もまた脾を弱らせます。
久臥
久しく臥すると、肺を傷(やぶ)る
長い間横になっていると、肺の働きを損なうという意味になります。
ずっと寝てばかりいると、気の巡りが悪くなります。
発散する力が弱くなるので、皮膚病になったり、うつっぽくなったりします。
久立
久しく立つと、腎を傷(やぶ)る
長時間立っていると、腎の働きを損なうということになります。
ずっと立ち続けるということは、腎の支配する骨に負担がかかります。
それにより腎の支配域である下半身、腰を痛めやすくなります。
サービス業などで立ち仕事についている方は、腎虚になりやすく、腰を悪くしがちになるということです。
自分の普段の仕事や行動を振り返ってみて、どんなことを長時間やってしまっているかを考えてみると、どの臓を傷めやすいかわかると思います。
ひとつのことを長くやり過ぎていないか、気をつけましょう!