はりをすると眠くなる?元気になる?
鍼灸の治療をしていると、治療開始からあまり時間がたたないうちから眠ってしまう患者さんが結構多くいらっしゃいます。
いくつかのはりをツボ(経穴)に触れされるだけでも、からだは副交感神経が優位となりリラックスモードになるため、眠くなってしまうのです。
治療の中で、特に治したいところの反応を伺うために「ここは痛く感じますか?」とか話しかけることもありますが、普通はなるべくそのまま、起こさないで進めるようにしています。
はりやおきゅうでもたらされる眠りは、気持ちよいのです。
電車でうたた寝している感じに似た、浅いけどとろんとした、柔らかい眠気、なんですね。
うつぶせになっていただく際に声をかけると、「今なんだか夢見てました」とおっしゃる方も。
うつぶせの状態ですと、またさらに眠ってしまう率が高いです。
肩こりの治療のために首など頭に近い敏感なところにはりをあてたりもするのですが、それでも大丈夫の様子。
眠っている状態はからだが緊張していないので、治療もしやすいように思います。
寝てしまうことを恥ずかしがる方もいらっしゃいますが、こちらとしてはリラックスいただけたんだな、とうれしく思っていますので、気にされないでほしいです。
一方で、ずっと起きている方ももちろんいらっしゃいます。
患者さんとのお話が弾んでいるため、ということも。
眠らないから鍼の効果が弱いのかとか、そういうことではありません。
よく睡眠がとれている方は眠くなりにくいですし、熱の多い証(体調)の時は眠くなりにくいです。
はりの効果で巡りがよくなって、かえってシャキッとすることもあります。
また、お話をすること、気持ちや思いを口から吐き出すというのは、からだによいことです。
言い換えるとそれをからだが欲している状態なんだと思います。
治療する側は患者さんにとって、完全な第三者です。
家族や会社で言いにくいことは、ここで捨てていって大丈夫です。
愚痴っちゃってすみません、と謝ることはないんです。
今の愚痴だったのか!なんて言われて気づくこともあったり。
患者さんとのお話、楽しくさせていただいております。