台風が来ると頭痛?
ゆっくりと北上してきた台風10号が、西日本に上陸しました。
今のところ大きな災害のニュースは入っていないようでよかったと思いますが、帰省ピーク時に幹線の運休や間引き運転はかなりの人に影響があったのではと思います。
さて、台風が近づいてくると体調が悪くなるという方は案外多くいらっしゃいます。
台風は気圧が低く、その低気圧がからだにさまざまな影響を与えるといわれていて、気象病などともよばれたりします。
気圧が低くなると、密閉された袋の中の空気はそれを取り囲む圧が弱まる分膨らみます。
それと同じことが血管にも起きて、広がった血管が神経を圧迫するのだと。
ですが、体調不良は頭痛だけでなく耳鳴りやだるさ、うつ症状などさまざまです。
となるとただ単に低気圧のせい、といえる訳ではありません。
例えば、小学生が遠足で登るような海抜1,200m程度の低い山でも、山頂の気圧は900hPa(ヘクトパスカル)を割り込みます。
大型の台風でも中心気圧は950hPa前後ですので、実はそれほどひどい低さという訳ではないんですね。
そのくらいの高さのところ住んでいる人も、山の多い日本ではたくさんいると思います。
でも、台風や低気圧が近づいてくると確実に頭痛やめまいが起こるとか、雨が降るのを予測できるとかいう方はいます。
なぜそうなるかというと、低気圧が近づくにつれておこる変化にからだがついていけないということがあります。
からだは常に一定の状態を保つために、外的変化に対して細かく調整しています。
台風は特に移動が速く、気圧の変化もダイナミックなので、その調整が追い付かないのですね。
さらに、気圧だけでなく気温や湿度も変化します。
調整しなければならないことが一気に増える訳ですので、自律神経のオーバーワークになり、それが体調不良として現れると考えられます。
それに加えて、内的変化に対しても、からだは調整しています。
生理の周期、睡眠、食事内容、活動状況など、同じような毎日を過ごしていても細かくみれば全く同じということはあり得ません。
生理の出血量が多い日、たくさん歩いた日、1食抜いた日、寝不足の日、いろいろあっても同じようなからだでいようとしています。
さらにもともとの体質、つまりからだの弱点も人によって異なります。
お腹が弱い、頭痛持ち、考え込みやすい…
体調の変化はさまざまな要因が重なって起こります。
どんな時にどんなふうになりやすいか、どんな組み合わせの時に体調が悪くなるのかということを普段からよく観察しておいて、そんな時は無理をしないとか、休みを取りながら仕事するとかを考えて行動するとよいのではと思います。
台風が来る=頭痛、と思いこんでしまうと、台風が来ると聞いただけで憂鬱になってしまって、かえって体調不良を呼び込んでしまうことにもなりかねません。
台風が近づいてきた時は植木鉢を室内にしまったり、危なそうなところはどこか確認したりして準備しますね。
からだについても、いやだなーと思うだけでなく、早く休むなどの準備をして心構えを持っておくだけでも違うと思います。
無事台風が去るとよいですね。