冷え性対策その1~からだを冷やさない
不妊治療で大事なことの一つに、からだを冷やさないことが挙げられます。
冷えがからだに入ると、血行が悪くなったりすることで、本来の機能が十分発揮されない状態を作ってしまうからです。
子宮や卵巣はたくさんの血流量が必要とされる臓器であるため、冷えの影響を受けやすいということができます。
実際、エアコンが効きすぎる部屋で座ったまま動かないでパソコンに向かうといった職場環境にいると生理痛がひどくなった、などとという経験は、多くの方がされているのではないでしょうか。
今回はからだを冷やさないためにはどうしたらよいか?対策を考えていきたいと思います。
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からだを冷やさないとはどういうことか
以前のブログでも説明しましたが、からだを冷やさないということは、からだの熱を奪われないようにするということです。
手足が冷やされると、そこを通る血液が冷やされます。
それが体内に戻ることで、体の中を冷やします。
外側からの冷え対策
風に肌をさらさない
からだは常に熱を発することで、簡単にからだが冷えないようにガードしています。
発せられた熱が体表面の体毛の間にたまっている空気層を温めて、からだを覆っているのです。
からだを冷やさないためには、この空気層を保つ必要があります。
風が当たってひんやり感じるのは、風でこの空気層が吹き飛ばされるからです。
直接肌に風が当たらないよう、長袖の服を着たり、ストール、腹巻、靴下などを身に着ける習慣をつけましょう。
冬以外は汗をかかない程度の、薄手のものでよいのです。
アンクル丈のジーンズなどおしゃれですが、妊活中は我慢です。
汗をかいたままにしない
発汗は、水が蒸発するときに熱を奪う気化熱の原理により、からだの熱を下げようとする働きです。
おなかが冷えないようにとがっつり腹巻をしても、汗ばんでしまっては本末転倒になってしまいます。
先ほど薄手のものでよいとお話ししたのはこの理由によるものです。
かいた汗はこまめに拭き、濡れた下着などはそのまま乾くのを待たず着替えた方がよいです。
内側からの冷え対策
食べ物や飲み物でも、からだを冷やしてしまうことがあります。
これにはふたつの側面があります。
冷たいものを食べない
おなかの弱い人は身に染みて理解していると思いますが、冷たい飲食に胃腸は敏感ですよね。
約37℃で保たれている内臓に、10℃かそこらの冷たい液体や固体が大量に流入する訳です。
口に入れた時に冷たーいと思ったその感覚は、当然内臓も感じています。
内臓の働きは弱くなり、内臓に流入している血液は冷やされ、冷たい液体を体温まで温めなければならないために余計なエネルギーを消費します。
もしおなかを壊して下痢すると、大量の水分が奪われることでまたからだが冷えます。
冷たいものの飲食は、からだを温めたい人にとってはいいことありません。
からだを冷やす食品を避ける
薬膳の考え方にもありますが、からだを冷やすとされる食べ物があります。
水分の多いもの、カリウムを多く含むもの、苦いものなどです。
夏野菜などは、この3つの条件を満たしていることが多いです。
果物も、苦くはないですが、カリウムは多い傾向です。
カリウムはナトリウムと拮抗して体内に存在しており、ナトリウムを排出させる働きがあります。
ナトリウムは体内に水を引き込む、つまりナトリウム摂取量が多いとその濃度を保とうとして血中水分量が増えるようになります。
高血圧予防のために塩分をセーブするのは、ナトリウム摂取を控えることで血液量を増やさないようにするためです。
カリウムはその反対に、ナトリウムを排出させるために利尿作用を持ちます。
からだから水分が失われるということは、冷えにつながります。
それでカリウムを多く含む食品はからだを冷やすという訳です。
夏は暑いですから、からだから余計な熱を排出しないといけないので、まったくこれらのものを食べないという訳にはいきません。
季節のものを食べることは養生の上では大事なことです。
そこで、調理で工夫するのがよいと思います。
炒めたり煮たりしてこれらの野菜から水分を抜いたり、塩分を追加してカリウムとバランスを取ったりすることができるからです。
冷え性対策の第一歩、からだを冷やさない、いかがでしたでしょうか?
できそうなことから、トライしてみていただけばと思います。
冷えないからだは気持ちいいので、大変そうに見えて案外すんなりとできるかも、です。