女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

立ちくらみ=貧血、とは限らない。

気温が急に高くなったりすると、立ち上がった時などにくらっとすることがあります。

一瞬目の前が真っ白になったりしてしゃがみこんでしまうことも。

子どもでは、よく朝礼で倒れたりするエピソードがあります。

 

このような現象を「貧血」と読んでしまいがちですが、実は違います。

 

「貧血」とは、血中のヘモグロビン濃度が低めの状態をいいます。

ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶはたらきがありますので、ヘモグロビン量が低いとからだの様々な場所に十分な酸素が供給されなくなります。

そのため、からだの各所で様々な障害が起こります。

主な症状としては、慢性的に疲れやすい、めまいや立ちくらみがある、動悸、息切れ、頭痛、顔色が悪い、耳鳴りなどです。

原因は、鉄分の不足によるものが大半ですが、造血細胞の障害、赤血球の溶血などが原因の場合もあります。

 

一方で、最初に述べた、起床時や暑いところに出た時などに起こる立ちくらみは「脳貧血」と言います。

主な症状として

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 目の前が真っ暗になる
  • 冷や汗が出る
  • 顔色が真っ青になる
  • 唇の色が紫色になる
  • 吐き気がこみ上げる

などが現れます。

 

脳貧血の原因は、一時的に脳への血液供給が減り、脳が少し酸欠になることで起こります。

脳貧血を引き起こすおもなものは、自律神経の乱れです。

薬の副作用や水分不足なども原因にはなりますが、自律神経の調整が追い付かないという意味では同じくくりに入るかもしれません。

自律神経は血管の拡大・収縮をコントロールして、血圧や血流量が一定になるようにしています。

寝ていた状態から起き上がる時も、立ち上がる時も、頭が上にいく動きがあると血圧が下がります。

自律神経はそれを感知して血管を収縮させ、一瞬のうちに血圧を上げます。

暑いのに水分摂取が足りていなかったり、入浴や飲酒後で血管が広がっていたりすると、この自律神経の働きが一瞬遅れて、ふらつきが起こるのです。

 
自律神経自体の働きが十分機能しないで起こる場合もあります。

寝不足や疲れ、ストレスなどが溜まっている場合などです。

また、血管迷走神経反射といって、自律神経の一つである迷走神経が過剰に刺激され、血圧低下や心拍数が減少することで脳への血流量が減って起こる脳貧血もあります。

迷走神経は内臓全般を支配していますので、排便や嘔吐などの後立ちくらみや失神を起こすような場合は、血管迷走神経反射が起こったためといえます。

また、恐怖や痛み、咳などが迷走神経を刺激して起こることもあります。

ショックで血の気が引く、という現象もこれにあたりますね。

いずれにしても脳への血流量が一時的に低下して起こるので、横になって安静にしていれば回復します。

 

脳貧血で一番気をつけなくてはいけないのが、ケガです!

失神の場合、勢いよく倒れてしまうことが多いので、頭部を強打するようなことがあると命にもかかわりますし、近くにストーブなどがあると大やけどを負うことになってしまいます。

吐き気などの前兆が現れることありますので、しゃがんだり壁にもたれたりなどできる対策をとれればとっていただきたいです。

 

立ちくらみがするから貧血かな?鉄分取らなくちゃ!が正解かどうかは、きちんと検査をしてみたほうがよいと思います。

 「貧血」についてはこちら↓

subaruhari9.hatenablog.com