なんだかからだがだるい、、のは疲れのせいではないかも。
からだがだるいなぁと感じることは、日常でもよくあることだと思います。
疲れが溜まっているのかな、生理前だからかな、などと考えてしまうことが多く、そのままやり過ごしている場合も少なくないのではないでしょうか。
慢性的なだるさがある場合、疑ってみてほしいのが貧血です。
貧血は、血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンという酸素を運ぶ働きのあるたんぱく質の一種が、通常より少なくなっている病気です。
酸素を運ぶものが少なくなっているということは、からだが常に酸素が足りない状態になっていると言えます。
そのため、だるさなどの全身に症状が現れやすくなりますし、血液を全身に送ろうと心臓が頑張るので、動悸や息切れなどが起こります。
※なお、暑さや緊張などで急に倒れて意識を失うことを俗に貧血と言ったりしますが、これは「脳貧血」といって、自律神経が乱れて一時的に脳への血液供給量が減少することで起こりますので、「貧血」とは病態が異なります。
貧血の大きな原因は鉄の不足です。
ヘモグロビンは鉄(Fe2+)を中心にもつたんぱく質で、鉄に酸素が結びついて酸素が運ばれます。
鉄が足りないとヘモグロビン生成量が少なくなり、十分に全身に酸素を運ぶことが難しくなります。
鉄を失う最大の原因は出血です。
子宮筋腫があるなどで月経過多になっていると、貧血の原因になりやすいです。
胃潰瘍などで慢性的な出血があっても貧血になりますが、女性の貧血は月経時の出血によることが多いです。
鉄は吸収率が悪くて、動物性の食べ物から摂れる鉄で摂取量の15~25%、植物性の食べ物から摂れる鉄だと5%くらいです。
普通のバランスを考えた食生活でなんとか必要量を確保できるくらいの量ですので、貧血がある場合は鉄剤をとって鉄の量を増やす必要があります。
貧血は予防が大事です。
からだに吸収された鉄は、ヘモグロビンとして赤血球を構成するほか、貯蔵鉄として肝臓や脾臓にキープされます。
出血によってヘモグロビンが減っても、貯蔵鉄から補充することができます。
貧血になってしまうと貯蔵鉄も使い果たしてしまうので、また必要量を確保するまでに時間がかかってしまいます。
赤血球の寿命は120日くらいですが、老化して破壊された赤血球中の鉄は再利用されますので、出血しなければ大幅に減ることはありません。
そのため、生理で失った分を常に補っておくことが大事になります。
子宮筋腫は良性腫瘍なのでそのままにしておくことも多いですが、できてる場所によっては月経過多を引き起こします。
その場合は、腫瘍の切除を検討した方がよいかもしれません。
たんぱく質を摂るように心がけましょう。
鉄はたんぱく質に多く含まれます。
インスタント食品やパンなど、手軽に食べることのできる食べ物はたんぱく質が少ないです。
お肉、魚、野菜、海藻類を毎日の食事でとるようにすれば、鉄も摂取できます。
鍼灸治療で直接貧血は解決できませんが、胃腸の働きを活発にするよう治療し、消化吸収を助けます。
慢性的なだるさがあり、休んだりしても改善しないような時は、貧血があるかどうかを確認しておくのもよいのではないでしょうか。(血液検査ですぐわかります。)