乾布摩擦がいいかもしれない。肌をさする効果とは。
子どものころ、上半身裸になってタオルでからだをゴシゴシこする、乾布摩擦をやったことがある方も多いのではないでしょうか。
冬に注目されることが多いので、”寒風”摩擦と勘違いしている方もいるかもしれませんが、”乾布”です。
乾いた布で皮膚を擦るという健康法です。
科学的根拠に乏しいと考えられたのか、最近は幼稚園などでもあまり行われていないようです。
ですがこのところ、「ドライブラッシング」という、同じような健康法が流行っているようです。
ドライブラッシングは布ではなく、柔らかいブラシを使うようですが、皮膚刺激を目的としている点では確かに近いものがあります。
ドライブラッシングは美肌やむくみに効果ありとしていますが、皮膚刺激が健康によいとされているのは注目に値すると思います。
乾布摩擦などの皮膚への適度な刺激は、東洋医学的な視点から合理的な面があるからです。
経絡を整える
小児鍼という、子ども用の鍼があります。
この鍼の使い方は、子どものからだを経絡に沿ってなでさするものです。
子どもは大人より感受性が高いので、経穴に鍼をあてなくても、からだの表面に軽い刺激を与えるだけで経絡の流れが改善するんですね。
大人でも経絡は同じように流れていますので、からだの表面、つまり皮膚への刺激もある程度有効であると考えられます。
肺経を鍛えられる
皮膚をつかさどっているのは五臓の肺です。
皮膚を刺激することにより、肺経の気の流れが活発になり、からだを守る衛気の働きが増します。
風とか寒とかの外邪が侵入しづらくなるのです。
それにより不要な熱は発散され、必要な熱はからだをめぐるので、適度にからだが温まります。
風邪や喘息によい
肺経がしっかりして外邪がはいってこないということは、風邪をひきにくくなるということでもあります。
また、肺経はのどや鼻にも通じるので、喘息や花粉症の予防などにも効果が期待できると思います。
元気になる
落ち込むといった内因や、運動不足などで気のめぐりが悪くなっている時、乾布摩擦で気のめぐりをよくしてやると、気持ちも上向きになると考えられます。
肌に触れるということは、基本的に気持ちの良いことです。
他人はともかく、自分で自分の肌に触れることに抵抗がある人はいないと思いますので、肌を擦るのは嫌な気持ちには少なくともなりません。
不安な時、人は顔や手を触ります。
肌を触ることは、不安を和らげる効果があるかもしれないと思っています。
やり方
皮膚が鍛えられていない状態で、裸になってタオルでゴシゴシするのは風邪をひく危険があります。
ここは”乾布”にこだわらなくてもいいかと思います。
シャツなど薄い服の上から、さするようにさらさらと手のひらを滑らせるようにするとよいと思います。
胸元、腕、手、おなか、もも、足、背中はタオルを使って、あまり力を入れずに。
仕事の休み時間など短い時間でもできるので、いいですね。
寒いの?と聞かれてしまいそうですが。
最近いいかもしれないと思い始めたところなので、自分でも少し続けてみて、感触を確かめてみたいと思います。