真冬でも裸で大丈夫!
大寒をはさむ1月の中旬から2月初めくらいまでは、一年で一番寒い時期ですね。
横浜でも、最高気温が10℃に届かないとかなり寒いと感じます。
ダウンジャケットをしっかり着込んで、マフラーを巻いたり、手袋をしたり、できるだけ露出をしないよう、熱を逃がさないよう気を付けています。
それでも、なんのカバーもしないで平気な部位があります。
それは顔です。
顔はシベリアの人も、アラスカの人も、露出しています。
顔には感覚器が集まっているので、おおってしまうと活動できないという問題もありますが、それを差し引いても大丈夫だからそのままとしているのです。
でも顔が他の部位と明らかに違っているようにはみえません。
皮膚の質も、触れてみたときの温感も、他と同じです。
ではなぜ、寒さに耐えられるのでしょうか?
東洋医学では、からだを14の経絡が流れていると考えています。
五(六)臓六腑の12経とからだの前中心を流れる任脈、後ろ中心を流れる督脈をあわせて14という訳です。
五臓は陰、六腑は陽にカテゴライズされるというのは以前説明した通りです。
つまり
肝・心・脾・肺・腎の気が流れるのが陰の経絡、その表裏関係にある胆・小腸・胃・大腸・膀胱の気が流れるのが陽の経絡になります。
任脈と督脈を陰陽で分けると、任脈が陰、督脈が陽です。
さて、経絡はからだのさまざまな部位に分布し流れているのですが、顔には、陽の経絡7つすべてが流れ込んできています。
すべての陽経が流れてきているのは、顔だけなんです。
陽経は具体的に活動するために、熱を持っています。
からだの余分な熱が停滞するのも陽経です。
陰経は通常熱を持っていなく、熱を持つことがある時は病的な要因によりますし、そうなると不調として現れます。
つまり、顔にはいくつもの陽経が張り巡らされていて、床暖房のように常に熱が供給されている状態になっているのです。
そのため、顔は寒さに強いんですね。
実際顔は毛細血管が非常に発達して皮膚の下を流れているので、血流量が多い部位です。
頭をぶつけて傷がつくと、驚くほど出血するという経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?
ただし、耳や鼻のようにとんがったところは熱が逃げやすいので、冷たくなりやすいです。
それにしても、極寒でも目の粘膜とか凍結しないのは不思議だなぁ、と思いますね。
一方で、顔以外は冷えやすいのに体毛が動物のように生えていないのも不思議です。服を着ることがなければ、人間はごく限られた温かい場所でしか暮らせなかったはずです。
わざわざ寒いところに進出してまで何がしたかったんだか、などと考えてしまいます。
寒いのが好きではないので、そう思うのですが。