タマシイにも働きがあります
たましいって、あいまいな概念ですよね。
からだに宿っていて、亡くなった時、肉体から遊離するとか、たましいを込めて歌うとかいろいろな使われ方をしています。
人間死んだら終わり、じゃないだろう、そう信じたい。
やっぱり最後は気持ちが大事。
たましいとは、そんな思いの表れなのかもしれないなと思います。
東洋医学の概念にもたましいは登場しますが、扱いはもっとドライです。
五行のうち、「五神」という分類があり、人のこころやからだの活動を支えている存在を示しています。
肝・心・脾・肺・腎
にそれぞれ対応するのが、
魂・神・意・魄・志
ですね。
魂=気の活動を支える
神=精神活動全般を無意識下で支える。
気を失うことを失神と言いますが、神が働けてない状態ということができます。
意=記憶や思考活動を支える
魄=肉体の活動を支える
志=意志(どうしたいか)を支える
ざっくり、働きはこんな感じです。
とりわけ、魂魄という言葉もあるように、いわゆるタマシイに該当するのが肝の蔵する魂と、肺の蔵する魄です。
陰陽で分けると、魂=陽、魄=陰となります。
肝=春=発散=陽、肺=秋=収斂=陰ということです。
そのため、気(=陽)、肉体(=陰)をそれぞれ支えているのです。
魄という漢字は、肺の五行である「白」と、霊を表す「鬼」が組み合わされてるのでわかりやすいですね。
人が亡くなると、魂はからだから抜けて上昇していきますが、魄はからだに留まり、肉体とともに土に還るとされています。
つまり、上・外向きの気が魂で、下・内向きの気が魄といえます。
行動したり、人と話したりというオープンな活動を魂が支えている訳ですが、魄の支える下・内向きの活動ってなんでしょうか?
人のからだにおける下向きの力が必要なのは、出産や排泄です。
魄のちからがないと、これらがスムーズにいかないと考えられているんですね。
魄を蔵するのは肺ですが、肺の表裏関係にあるのは大腸です。
魄は大腸の活動を支えています。
五行説ってこうしてきちんと繋がるのがすごいですね。
排便後、ぐったりする場合がたまにみられますが、これは魄が抜けてしまった状態のためにおこるとされています。
医学的には迷走神経反射の一種で、自律神経の一時的な乱れからきているのですが、実際の生理現象を東洋医学で説明できるのは興味深いです。
しっかりした精神活動を行えるのはからだがしっかりしている必要があるし、五神がしっかりしていれば、からだを支えることができます。
こころとからだは、不可分です。
どちらかにだけ無理をしないように、日々生活できるとよいですね。