慢性疼痛と鍼灸
今朝の「おはよう日本」で、慢性疼痛の患者さんたちの特集をやっていました。
からだに異常が見られないのに痛みが出る、ということで、なかなか治療も難しいのが現状のようです。
東洋医学では、痛みの原因は「不通則痛」「不栄則痛」この二つと考えます。
不通則痛→流れが通っていない場合に痛みが発生する。
不栄則痛→栄養が不足していると、痛みが発生する。
からだをよく診て痛みの原因がどちらなのか、なぜそうなったのかを考えて、その原因を取り除くような治療を行います。
痛みの原因がわかったとしても、病の状態によって、治りやすいかどうかが変わってきます。
病が深いと、治りにくい、治るまでに時間がかかるということになります。
慢性疼痛は、病の深い「痺証」という病態になるのかなと思います。
痺証の痺は麻痺(まひ)の「痺」であり、閉塞して通じない、という意味です。
からだや経絡のどこかが閉阻され、気血が通じないために様々な痛みが発生した状態です。
痺証は4つに分類されます。
行痺…疼痛箇所が変わる。
痛痺…固定性の疼痛。痛みが強い。
着痺…固定性の疼痛で、重だるさをともなう。
熱痺…腫れや発熱をともなう痛み。
慢性疼痛はこの中でも痛痺にあたると思います。
このように、東洋医学では痛みに対して考え方や治療について細かい検証がされています。
ではこの通りに治療を進めれば治るのか、というと、実際の治療は簡単ではない、という印象です。
痛みを消失させられればベストですが、痛みを軽くしていくことにより、からだの負担を和らげたり、気持ちが前向きにすることなどができるのではないかな、と思っています。