めまいは「眩暈(げんうん)」と表記されることが多く、眩が目の回る感じ、暈が頭がふらつく感じを意味します。
他にも掉眩(掉はからだのふらつき)、冒眩、頭眩、目眩など症状によって様々な表現が用いられています。
それだけ身近な症状として考えられていたとも言えます。
さて、東洋医学的に見ためまいの原因ですが、古典に「諸風掉眩、皆肝に属す」という記述があるように、肝の虚によることが多いとされています。
肝が虚すと内風と言って、からだの内側から風がおこり、それによって様々なところが不安定になることがあります(肝風内動)。
風は肝の五悪にあたります。
からだの外で吹く風によっても肝に影響が及んで症状が起こることもあります。
例えば旅行中乗り物の中で窓を開けて風にあたり外を見ていたら、顔面神経麻痺になるとかです。
風が起こるのはなぜかというと、自然界では気温や気圧差があるからで、内風とはそれがからだのなかでも同じ現象が起こっている、つまり寒熱のバランスなどが乱れているということになります。
肝が虚しても必ずしもめまいが起こるわけではなく、頭痛や肩こり他、様々な不調につながりますが、やはり弱いところに症状が出る、体質が多く関係しているといえます。
目の回る感じは肝虚熱証の場合が多く、肝の表裏関係である胆経に影響が出た時に特に起こりやすいようです。
胆経は耳を通ってもいますので耳に関係が深く、耳の調子とめまいも関係が深いです。
脾虚証でめまいが起こる時は水分代謝の不調があると考えられます。
つまり痰(停滞した余分な水分)が熱を持って上昇すると、めまいが起こるのです。
胃腸の働きが弱くなって水をうまくさばけなくなっているので、胃腸の弱い人がなりやすいめまいです。
腎虚証でもめまいが起こります。
腎虚では虚熱が発生しますので、その熱が上昇するとめまいになる場合があるからです。
腎虚のめまいはふらつき感が主になります。
現代で言うのぼせや高血圧によるめまいがこれにあたります。
肝、脾、腎虚の寒証でもめまいになります。
冷えからのめまいで、陽気不足によるものです。
立ちくらみとともにおこるめまい、元気がない、などです。
感染症などで、激しい下痢や嘔吐、発汗の後でめまいが出ることがありますが、一時的な陽気不足になることで起こったものです。
このように、めまいといってもいろいろな原因があります。
病院の検査などでは問題がないが、時々めまいに襲われてつらいというお悩みのある方は、鍼灸治療をお試しいただけたらよいかもしれません。
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