鍼灸でニキビ治療!?
お肌に湿疹やできものなどができた時には、たいがいの場合皮膚科を受診すると思います。
その症状に合わせた塗り薬が処方されることが多いでしょう。
ステロイドの入ったものは炎症を抑えるので、効果も高いと思います。
ただし、なぜその皮膚の状態が悪くなってしまったのか、根本にアプローチするには足りない場合もあります。
便秘をした時に吹き出物が増えたり、食べ物にあたって蕁麻疹(じんましん)が出たりした経験がある方も多いと思います。
内臓の働きと肌の状態に関係があることは、経験的に納得がいくのではないでしょうか。
東洋医学では、皮膚を支配しているのは肺ですが、その原因を作るのは他の臓であることが多いと考えています。
肺の機能が弱まって熱の発散が悪く皮膚トラブルを招くことはありますが、熱の発散が悪くなるのは他の要因もあるからです。
特に脾の失調が、皮膚に影響することが多いです。
五行の相生関係においても、脾は肺の親にあたるので、親の不調は子にも影響が出やすくなります。
表題のニキビは、脾が虚しているのと同時に、様々な状態からおこります。
まず食べ過ぎて胃に熱がこもってる状態になると、ニキビができやすくなります。
食事をとると消化のため、胃が活発に働きますが、そのために胃は熱を必要とします。
また消化によって熱が作られもします。
必要以上に食べれば、その分働こうとしてますます熱を必要とし、また熱も発生します。
胃には熱が溜まりますが、食べ過ぎで疲弊するので、脾は虚します。
そうすると脾の気血津液を巡らす働きが弱まり、胃の熱がうまく発散できなくなります。
そうして皮膚で停滞した熱が、ニキビとなって表れるという訳です。
甘いものや脂っこいものなど、湿熱を溜めやすい食べ物も同じような流れでニキビの原因となります。
逆に胃腸が弱くて十分熱を発散する力がないことでもニキビができるときがあります。
また、瘀血がある場合でもニキビはできやすくなります。
瘀血によって血の流れが悪くなり、局所的に熱が停滞してニキビとなります。
若い女性に多いパターンで、便秘があったり、生理にトラブルを抱えていることが多いです。
ニキビは皮膚の常在菌が通常よりも繁殖して炎症が起こることで発生します。
普段は悪さをしない常在菌がなぜトラブルを引き起こすのか、その原因を探ることが根本的な治療に必要です。
皮膚を清潔にするのと同時に、食べ物や生活習慣など、からだ全体にかかわるところの見直しが大事になります。
ニキビにはりが効くというとピンとこないかもしれないですが、からだの状態を改善するという意味では、とても有効ではないかと思います。