女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

食べ物と乳腺炎の関係

出産後、胸に痛みを感じたり、乳房が腫れたり、発熱したりする症状が現れることがあります。

乳腺が炎症を起こしてしまっている、乳腺炎です。

乳腺炎には、乳腺に母乳が詰まる「うっ滞性乳腺炎」と乳腺が細菌などに感染してまう「化膿性乳腺炎」のふたつがあります。

 

乳腺炎は母乳が排出しきれずに乳腺に残ってしまい、それが溜まっておこるので、赤ちゃんにきちんと吸ってもらうことが予防に一番重要と言われています。

一方で、食べ物によって発症するという考え方もあります。

脂肪分、糖分の高いものを食べると乳腺炎になる、という説です。

根拠がない、授乳の姿勢や吸わせ方を変えると乳腺炎は起こらないとする医師もいれば、具体的な食べ物を禁止するところもあります。

また、何度も繰り返しかかってしまう人もいれば、何を食べようがまったく平気という人もいて、個人差があります。

これも、赤ちゃんの吸う量の違いや乳腺の細さなどの違いかもしれませんし、何によって違いがあるのか、おそらく事情はみな違うのだと思います。

とはいえ、授乳中の方のお話しをうかがっていると、特定の食べ物でテキメンに詰まると体感している方は少なからずいらっしゃいます。

今までなんともなかったのに昼間チョコレートを食べたら初めて夜胸が痛くなった、とか、極端な例だと、お餅はおろか白米もだめだけど、おかゆにすると大丈夫とかいう方も。

アイスや生クリームを食べるとダメという方も複数いましたし、まったく関係ないとも言い切れないような気もします。

 

東洋医学的には、食べ物とは関係なくもない、と考えられます。

乳腺炎は脾と肝に関係しています。

肝は肝経が、脾は表裏関係の胃経が乳房を通っているためです。

炎症の症状は、基本的には気の流れが悪いところに熱が滞っておきます。

肝が原因の場合は育児のストレスや寝不足などの疲労により、肝気が鬱滞した影響が乳房に表れたものが乳腺炎だということができます。

胃が原因の場合、何らかの原因で胃に負担がかかり、胃熱がこもると、その熱が胃経を通って乳腺で停滞します。

乳房は母乳を作り出したり溜めていたりして、そこで胃熱がとどまりやすい状況が生まれていると考えられます。

胃熱は、食べ過ぎなど単独での原因もありますが、他の臓器の状況の影響も受けて起こります。

例えば、生理前に食欲が増しますが、これは子宮に血が集まりだして熱が多くなり(血は熱を持っているので)、その熱が胃を温めるためにおこります。

中年になると太りやすくなるのも、歳をとってくると腎虚に傾きやすくなりますが、その場合虚熱が発生し、胃を温めてしまうので食欲が増してしまうことでおこります。

そして、食べ物によっても熱がこもりやすくなります。

これが乳腺炎に良くないとされる脂肪分や糖分になるんですね。

これらの食物は胃熱の原因になります。

熱性の食べ物ということもできるのかもしれないですが、脂肪分は痰湿となって湿熱を生みますし、糖分はからだのエネルギーとなりますから熱が発生しやすいのです。

そういう意味では、東洋医学としては乳腺炎と食べ物に関係はあるかも、という見解になります。

でも上記の通り、食べ物は原因のひとつに過ぎないとも言えます。

食べ物が原因かどうかはっきりしなくても、糖分脂肪分の少ないヘルシーな食生活も悪くないですから、いい機会だと切り替えてそういう食生活を過ごしてみるのもよいように思います。

まあでも、胃熱があると甘いものが食べたくなりますので、難しいかなぁ。。

 

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