冬の食養生はおせちにあり。
すっかり寒くなり、年の瀬も間近となってきました。
おせち料理、大好き!という人はあまりいないような気がしますが、それでもやはり食べないとお正月という感じがしない、ということも多いのではないでしょうか。
おせちは現在では、ちょっと(かなり)値の張るお正月のごちそうといった位置付けにあります。
もともとは身近な食材を使って、お正月の間くらいは料理しなくてもいいように保存の効く食べ物を揃えたという意味があったと思います。
そのために、使われている食材は今の季節の食材、つまり旬のものが多くなるのは自然です。
旬のものはその季節の養生に適している食べ物であることが多いです。
つまり、おせちは冬に食べるとよいものが多く入っているといえます。
冬に食べるとよい食べ物とは
黒いもの
五行では、冬にあたる色は黒です。
ごまや昆布、ひじきなどの黒い色のものが腎を養います。
塩味のもの
五行では、冬にあたる味は鹹味(かんみ=塩辛い味)とされています。
塩味のものは血中に水分を取り込み、血液量を増やします。
血液量が増えるとからだが温まりやすくなります。
塩味の多いものは保存にもよいので、冬に向いています。
しかし血液量が増えるので、とりすぎると高血圧などの方にはよくありません。
とりすぎると逆効果になるのは、五味の特徴でもあります。
ネバネバしたもの
五行では、基本の木火土金水のうち、水が冬や腎と同じカテゴリーになります。
ネバネバした食材は水分を保持しますので、腎を補うのによいとされます。
固いもの
固いは堅いとも書くことがあります。
腎という漢字には、この堅いと同じ部首が使われています。
腎の働きは固める、という作用があるのです。
そのため、食べ物も固いものがよかったりします。
夏の食べ物であるなすは柔らかいですね。
冬はにんじんとか固いものがよいということです。
これらをふまえておせちをみてみると、腎を補うのによい食材が多いことがわかります。
- 昆布巻き
- 黒豆
- 伊勢海老(えびはからだを温める食材です)
- ほたての煮付け(ほたてもからだを温めます)
- 田作り(ゴマなど種実類も腎によいです)
- 栗きんとん(栗はからだを温めます)
- 伊達巻(たまごは陰を養います)
- 煮物(根菜は固い食べ物です)
お正月といっても、お店も開いているし好きなものを食べに行くことは難しくありません。
ですが、お正月くらい旬のものを味わってみるのもよいのではないでしょうか?
おせちはちょうどそれにふさわしい食べ物です。
これはからだにいいのかな?などちょっと考えて食べてみるのもおもしろいかもしれません。