夜寝ようとすると咳が出る!咳がずっと続く!その訳は?
咳は、ウイルスや細菌、ごみや異物を吐き出すために反射的に強い呼吸が押し出されて起こる防御反応です。
異物の除去が目的ですからそれが果たせれば止まる訳で、短期で治ることが多いものです。
しかし、なかなか治らない、長引く咳があります。
その中には注意が必要なものもあります。
肺がん
長引く咳で怖いのが肺がんです。健診などでレントゲンを撮る機会もあるので、その時に相談してみるのも大事だと思います。
肺結核
肺がんと同じく、長引く咳の出る症状の怖い病気ですね。
肺結核はペニシリンが普及してから過去の病と考えられていましたが、近年増加しています。自分が結核だと思わないことで発見が遅れることも一因のようです。
結核はひどい寝汗も特徴としてありますので、そんな症状があったら呼吸器科を受診してみてください。
細菌感染による咳
マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、百日咳など、細菌感染による病気で咳が長引いている場合があります。
人に移してしまう恐れもありますので、咳が続いた時は感染症を疑って受診するのも大事ですし、回復が早くなります。
マイコプラズマ肺炎は症状は重くはありませんが、生涯抗体にならないので再度感染する場合があります。
降圧剤
高血圧の薬で、咳が出るものがあります。
服用している方で咳が気になる場合は、主治医に確認してみるようにするのがよいと思います。
感染後咳嗽
風邪をひいた後に咳だけ残ることがります。
意外にも原因は不明ですが、喉の粘膜が弱っていて刺激に過敏になっているとも考えられています。しばらくすると徐々に落ち着いていきます。
気管支喘息
様々な刺激により、気管支が炎症をおこして腫れて狭くなり、激しい咳と呼吸困難な状態になります。
気管支が細くなっているので喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーいうこと)があります。
咳喘息
アレルギー性の気管支炎で、喘鳴や呼吸困難がない咳だけ出るのが特徴です。
喉の粘膜が過敏になっている状態です。
東洋医学的に見た咳
東洋医学的には当然ですがその原因について細菌感染とかは考えず、まずは外傷か内傷かを診ます。
外傷はからだの外から傷つけられるもののことで、風邪が代表的です。
冷えが体表に入り、肺の気を巡らす作用が失調し、肺気が上逆して起こります。
悪寒や発熱が伴い、それほど長引くことはありません。
内傷とはからだの内側の失調が原因のものを言います。
内側の失調とは五臓の変調のことで肝虚、脾虚、腎虚という虚証のほか、実証でも起こります。
それらが起こることで、肺に影響が出るため、咳につながるのです。
もとの虚実が整わないと治らないので、長引く咳になります。
肺熱
肺に熱が入り、肺の津液が乾かされた状態です。
咳の特徴は空咳で単は少ないです。
秋の乾燥した冷たい空気が悪化させます。
布団に入ってからだが温まると咳がひどくなります。
睡眠時に体表をめぐっていた熱がからだのなかに戻ろうとするとき、すでに熱を持っている肺がさらに温められてしまうからです。
動悸など他の熱症状が併発している場合もあります。
肺寒
のどの詰まり感と同じ病理で、肝虚寒証などで気の巡りが悪くなり、からだも冷えて上焦(胴体の上1/3、胸の位置)にだけ熱が残り、そのせいで咳が出ます。
水の停滞もあります。
停滞した水が冷えるので、明け方など冷える時間に咳が出やすいです。
瘀血
血の停滞が気のめぐりを阻害する上、水の停滞もあります。
要因が二重三重にあるので、治りにくい咳になります。
湿
脾虚により水の停滞が主の咳で、痰が多いのが特徴です。
梅雨など湿度が高い時期に出る咳です。
陽明経熱
風邪をひいた後などで熱が下がっても、陽明経に熱が残って発散できていないと咳が残るという状態になります。
風邪をひいた後咳だけ残る、を東洋医学的に見た状態です。
咳は様々な原因でおこりますので、鍼灸治療ではそれに応じた選穴をします。
咳が続くとみぞおちが硬くなってくるので、治療でゆるめるだけでも楽になります。
病院での診察で重い病気でなかったら、鍼灸治療を選択してみるのもよいと思います。