医療と鍼灸、連携の動き
最近、このような動きがあることを知りました。↓
西洋医学の技術の発展は目覚ましいものがありますが、一方で置き去りにされている患者さんもいます。
また西洋医学と東洋医学の違いについては以前触れましたが、どちらにも得意不得意な分野があります。
このようなことを考えてみるにつけ、双方がお互いを理解して相互補完するように患者さんに提案できたらよいのだけれどと思っていました。
そういう活動が少しずつ、始まっているようです。
漢方薬を処方する医師は増えていますが、なぜその漢方薬がその患者さんによいのかをきちんと理解して処方されているのか、疑問に思うこともあります。
認知症→抑肝散
食欲不振→補中益気湯
更年期障害→加味逍遙散
風邪→葛根湯
このように、症状に対して漢方薬が処方されることがありますが、漢方の処方には病名ではなく証が大事です。
同じ更年期障害でも、桃核承気湯がよい人、当帰芍薬散がよい人みな証が違います。
もし医師がきちんと証立てできれば、しばらく飲んで効かなかったら違うのを試す、というような無駄な時間も費用もなくなりますし、漢方ってあまり効かないな、という間違った認識もなくなります。
一方で、産婦人科の医師が、逆子対策に鍼灸治療を勧めるということが増えてきてように感じています。
女性の方が柔軟な考え方に馴染むのかもしれませんが、一番連携が進んでいる科かもしれません。
鍼灸治療が医療と一緒に治療に取り組めたら、回復が早まったり、QOL(生活の質)が向上するであろう場面はたくさんあります。
実際、訪問介護に鍼灸師も参加していたり、ホスピスに鍼灸師が入っていたりと個々に対応している施設等はあるようですが、全体としては点での活動にとどまっています。
これが普通のこととして、面で広がっていけたらいいなと思います。
このようなお互いなにできるかを示しあって協力体制が整っていくことが実現に近づけたら素晴らしいと思いますし、できることがあればやってみたいと考えています。