女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

スピッツのCDデザインを考察する 5~「フェイクファー」「ハヤブサ」

スピッツのアルバムジャケットについて、続きを書いていきます。

スピッツはアルバムだけでも15枚リリースしているので、ジャケットについてはまだ続きます。

 

 8thアルバム「フェイクファー」:1998年3月25日リリース

フェイクファー

フェイクファー

 

 スピッツをメジャーシーンにつれてきてくれた笹路プロデューサーが離れ、ほぼセルフプロデュースで作られました。

切ない印象の曲が多く、でも寂しいとか悲しいというよりは、胸に込み上げてくる思い出を抱き締めるような切なさとでも言えばよいのか、暖かみのある感じがします。

そしてこのジャケットですよ。

アルバムの世界観を表しているような、はかなくも暖かい切なさを感じることが出きる、傑作ではないでしょうか。

デートの途中で彼女がふと見せた表情に、なぜかそんな切ない気持ちがよぎる、その一瞬を捉えたようなスナップのような写真。

淡いピンク色の服、乳白色の背景、それに溶け込んでしまいそうな女の子。

そんなはかなげな世界に射す陽の光にはっとさせられます。

今楽しく過ごしているこの時間も、いつかは終わる。永遠ではない。

どうしてそんなこと考えてしまうのかわからないけど、ふとそんな気持ちがよぎる。でもやっぱり今この瞬間が大事なんだ、とでもいうような。。

女の子のかわいさって、表情特に目の表情に依るところが大きいと思うのですが、このジャケットに限ってはそれに頼らずともかわいさを引き出しています。

乳白色の背景、手首の細い紐でできたブレスレット、ドリンクのカップを抱える両手、顔に無造作にかかる髪、うつむきがちの瞳、優しげな微笑み、淡い色のワンピース、白い肩。

文句なしにかわいいです!!

センスよすぎ!

 9thアルバム「ハヤブサ」:2000年7月26日リリース

ハヤブサ

ハヤブサ

 

 以前ほどシングルのセールスが伸びなくなってきたり、レコード会社に無断でベストアルバムをリリースされてしまうなど、いろいろと岐路にたたされていた(かもしれない)時期に発売されたアルバムは、そんな鬱屈を吹き飛ばすような、暴れまくりの痛快な内容になっています。

このジャケット、怖いとか最初は思ったりしてました。

女の子はどこいった。。

あのふんわりしたフェイクファーからのこれって、にわかファンを篩にかけているのかしら。とまで考えてしまったり。

でもヘビメタバンドのジャケットっぽくもあり、それをスピッツ風にアレンジするとこんな感じ、という気もします。

ファンを篩にかけた訳ではないかもしれないですが、スピッツは自らの手で“スピッツバブル”を弾けさせ、爽やかでちょっと消極的で優等生な感じのイメージを突き抜け、やりたい曲をやってみようという意志を表現しているように思います。

背景の黒がとても生きていて、タイトルの入れ方といい、かっこいいジャケットになっていると思います。

いろんな表情を見せてくれるスピッツですが、美大出身だからか、センスのよさは隠せないですね。