スピッツのこの歌詞が好き1~魔女旅に出る
ちょうど去年のこの水曜日、スピッツの30/50ツアーライブ@横アリでした。
それまでも好きは好きでしたけど、まぁハマりましたね、見事に。ライブ、恐るべし。。
それ以来改めてスピッツを聴いていて、いろいろ思うところも出てきたので、時々なんか書くかもしれません。
スピッツの魅力はいろいろあると思うんですけれども、今回は歌詞の一言にフォーカスして、掘り下げてみようと思います。
第一回目は2ndアルバム「名前をつけてやる」の収録曲、「魔女旅に出る」から
“ほら 苺の味に似てるよ”
です。
この曲は、将棋で人気の藤井聡太7段が好きな曲として挙げたことでちょっと話題になりました?が、シングルとしてリリースされたのは1991年、27年前なんですね。
この歌詞は歌い出しに出てくるのですが、なんですかね、こんなの聴いたことないなと思いました。
まず苺という言葉から連想される、甘酸っぱい、赤い、かわいいなどといったイメージが曲の全体に広がります。
が、苺の味、なんですよね。
しかも似てるよ、だから苺じゃない。
じゃあなんだ?ってところで、想像の幅が大きく広がる訳です。すごい。
苺の味…。お菓子?キャンディ?初めてのキスの暗喩かも?
という具合に。
ほら、と話しかけていることから、二人のあいだが親しいとか近いんだなとイメージできます。
ここまで引き付けておきながら、次は
もう迷うことはない
僕は一人祈りながら
旅立つ君を見てるよ
え、お別れ前の会話だったのか。となるという。
そう、女の子(彼女)の旅立ちを見送る歌なんですね。
魔女っていうのは、魔法を使う→相手を振り回す、で彼女をちょっとひねくれて例えたと勝手に解釈しています。
そして歌の最後は
ラララ 泣かないで
ラララ 行かなくちゃ
いつでもここにいるからね
と、優しく励まして送り出しています。
うーん、やっぱり最後まで苺の味のする歌。。
この歌がスピッツらしいなーと思うのは、
男が女を見送るというシチュエーションを歌にしているという点。
1991年といえばバブルのただ中。
男性が女性におごったり貢いだりするのがカッコいい時代。
24時間頑張る企業戦士を、女性の側が頑張ってねと励ますのが普通だったのです。
それなのにこの歌は、新しい世界に出ていくのは女性の方で、男性の方が見送り、しかも「いつでもここにいるよ」と、待ってる側になってるんですよね。
いつでも男は待たせるだけで~♪のはずじゃなかったのか?
他にも同じ頃の曲の「青い車」では、
君の青い車で海へ行こう~♪
という歌詞もあります。
車出すの、女の子に頼むのか。
スポーツカー買って女の子をドライブに誘うんじゃないのね。
でも別に情けなさはないんですよね。
二人の関係、二人の立場は二人で決めたらいい。
既成の概念からするーっと抜けてる自然な空気。
それがスピッツの魅力のひとつなのは、間違いないと思います。