スピッツ16thアルバム「見っけ」をレビューしてみます。その2
スピッツのニューアルバム「見っけ」のレビュー2回目。
4ラジオデイズ
スピッツによるラジオ讃歌。
ラジオ大好きというマサムネさんの思いのこもった曲になってます。
具体的なテーマの歌は珍しいですね。
”空気を揺らしてくれる”
”ノイズをかきわけて 鼓膜に届かせて”
などの、ラジオの音についての表現が素敵だなあ。
Cメロの3連符が続くところなんか、ラジオに対して溢れんばかりの思いが止まらないって感じがして胸が熱くなります。
ラジオ漬けというわけではなかったけど、まあ同じ世代なのでラジオにはやはり思い出も多くて、そんな曲をスピッツが歌ってるのは感慨深いです。
5花と虫
爽やかなスピード感、前向きな感じの歌詞。どことなく哀愁も漂う。
個性あふれる、というわけではないけれど、気持ちいいメロディーとサウンド。
言ってみれば、「見っけ」の12曲全部混ぜてできあがったような曲って気がしました。
タイトルは花と虫なのに歌詞には虫が出てこないんだけど、これは虫の目線の歌なのかも?
そう思って聴くと、ちっちゃな虫が頑張って生きてるというような歌なんだなって思えて、ぐっときます。
6ブービー
なんとなく、外国の絵本を読んでるような気持ちになる曲でした。
昔の洋楽のような雰囲気もあり?(ない?)不思議な世界に連れていかれる感じがします。
”いつもブービー”
”君が好き”
”レモン風味”
”軽い罪”
と、さりげなく脚韻が踏まれているのが耳に残って、ゆらゆらしたリズムを感じるんですよね。
ちょっと弱気な男の子の片思いの歌かな?
”たまに怒らせる”ってあるから、片思いの子とまったく交流がない訳じゃないのかな、ならよかった、と妙な親心も発動する?歌です。
7快速
タイトルそのままに、快速列車に乗っているような気分になります。
それも新幹線じゃなく、東海道線のようなボックス座席で窓が上に開くようなタイプの。
”つり革 揺れてる”って歌詞もあるし。
顔に風を受け、田園、街並み、海、夕日、、どんどん変わっていく風景をみながら、これから行く先に思いを馳せる感じがリアルだなと。
会いたい人がいて、気持ちも急いているのかな。
意を決して出かけた感じもしますね。
”草原のインパラよりも速く”って歌詞が好きです。
8YM71D
YM71Dってなんだ?と発売前からざわついていましたが、”やめないで”なんですね。
ちょっとエッジの丸いカッティングのファンキーなリフが曲の最初から最後まで繰り返されていて、軽妙な楽しさのある曲ではないでしょうか!
メロディもわかりやすくて気持ちいいですね。
”少しサディスティックな”って歌詞の、メロディへの乗っかり方がなんともオシャレ。
すごく人気出そうな曲です。
そして久しぶりに、あ、これ実はエロい歌、、だよね、と思わせる歌詞になってます。
歌詞のどの部分がどうとは言いませんが、やめないで、だし。。
付き合い始めたばかりでお互いに近づこうと懸命な二人が、ちょっとずついちゃついてく様を妄想してニヤついてしまうのですが、そんな気持ちとギターのリフがシンクロしてるような気がします。
こんなオシャレな曲に部品の品番みたいなタイトルをつけるセンスが素晴らしいな。
”演じてた君に恋して 素の君に惚れ直して”
この歌詞がまた素敵なんですよ。
出会ったときは女の子らしさをアピールしてて、それがかわいくて好きになっちゃった。付き合うようになってリアルなとこも見えてきちゃうんだけどそれも好き、とかもう。
ニヤニヤします。
やはり長くなってきたのでもう一回分けて書きます。