スピッツ「空も飛べるはず」をあらためて聴いてみて。
最近SUUMOのCMで、「空も飛べるはず」が女性のカバーで使われているバージョンが流れていますね。
正月に実家にてテレビをみていたら、そのCMが流れ、それにあわせて歌ったりしました。
うろ覚えのはずなのに、わたしの鼻歌を耳コピしてメロディーをピアノで弾き始めた姪。
その後左手のためにコード譜を見せてあげたら、曲が完成してしまいました。すごいな。
彼女のピアノに合わせて即興カラオケです。
ピアノが弾けるって羨ましい。
「空も飛べるはず」はスピッツの三大ヒット曲のひとつで、音楽の授業や合唱でも歌われるほど浸透している曲です。
ヒット曲はファンだけでなく、一般リスナーにも広く共感するような分かりやすい歌詞やメロディーなことが多かったりします。
そのため、そのミュージシャンのファンからは、もっと他に彼ららしい曲があるのに、、などと思われる場合もよくあります。
スピッツはアルバムも15枚出していていい曲がたくさんあるので、あえてヒット曲を聴くことはあまりしていませんでした。
それで今日久しぶりに歌ってみて、ヒット曲なのに(というのも変ですが)スピッツらしいいい曲だなと、あらためて思わされました。
幼い微熱を下げられないまま
神様の影を恐れて
隠したナイフが似合わない僕を
おどけた歌でなぐさめた
色褪せながら ひび割れながら
輝くすべを求めて
10代の頃って、大人が思うほど充実していたり、楽しかったりはしていないものです。たぶん。
回りに合わせて自分を押し殺したり、感情の振れ幅が大き過ぎてもて余したり、ほんとにやりたいことや自分の意見もはっきり掴めていなかったり。
強がってみては空まわりしたり。
反抗してみても後ろめたさがあったり。
そんなモヤモヤした思いを内に抱えてやり過ごしている、その感じがこの歌い出しの歌詞にそのまま表現されているよなぁ。。と思うんですね。
それが、
君と出会った奇跡がこの胸に溢れてる
きっと今は空も飛べるはず
好きな子と出会ったとたんに、空飛んじゃうくらい突き抜けてしまう。
飛べるはずっていうのがいいですね。
何でもできそうな気持ち、その気持ちだけが先行してる感じ、それもやはり若さゆえ。
2番の最後、
ゴミできらめく世界が僕たちを拒んでも
ずっとそばで笑っていてほしい
ゴミできらめく世界とは大人の社会のことだと思うわけですが、好きな子がいたらそんな反発心も強気に見せてしまえるんだなと。出だしのモヤモヤはどこへ。
でもきっと、この歌詞になんとなくでも共感するところを、みんなどこかに抱えているから支持されているのかも知れない気がします。
こんな言葉に言い表せないような感情を歌詞にして美しいメロディーにのせ、ふわっと歌ってしまえる。
イントロのギターのリフもどこかさみしげで、でも暗くはない、そういう絶妙なバランスもいかにもスピッツらしく。
やはり、名曲でした。
これに収録されてます↓