ネガティブな気持ちも、体質次第!?
嫌なことがあった時に湧き上がる、ネガティブな感情。
自分が持つ気持ちが当然と考えがちですが、これは人それぞれ違いがあります。
それも、東洋医学では持っている体質(素因といいます)によって決まってくるとしています。
自分がどういう感情を持つかによって、自分の体質の傾向がちょっとわかるのは、こころとからだを分けて考えない東洋医学ならではの面白さかなと思います。
五臓の働きを思い出しながら↓、見てみましょう。
五臓にはそれぞれに該当する感情、五志があります。
肝=怒
心=喜
脾=思
肺=憂・悲
腎=恐・驚
この同じカテゴリーの感情が、その体質として現れやすいと考えます。
例えば、仕事などでなにかミスをしてしまった時。
肝虚タイプの人
「怒」なので怒ります。
こんな間違いをしてしまうなんて、なにやってんだ自分!と自分に腹を立てることもあれば、そもそも課長の指示があいまいだったからこんなことになったんじゃん、ムカつくわー!と他に原因を求めたりして、怒りとして表出します。
脾虚タイプの人
「思」なので、思い悩みます。
あの時ああしたらミスは防げたのかもしれないのに、と後悔したり、こうしたらよかったのかな、課長はどうしてあんないい方したのかな…と考え込んでしまいます。
肺虚タイプの人
「憂・悲」なので、悲しみます。
なんであんなミスしちゃったんだろう、あーあばかみたい。ほんと自分が嫌になる。もうやだ(泣)。だいたい課長がちゃんといわないから間違っちゃったんだよ、ひどいよ(泣)。もう間に合わないかも、ダメじゃん(泣)、、という具合に憂う訳です。
そしてそれは愚痴っぽくなります。
腎虚タイプの人
「恐・驚」なので、不安になります。
あんなミスしちゃってどうしよう、怒られる。。クレームとかに発展しちゃうの?怖い。。これから修正できるかな。課長が言ってたこときちんと聞いてなかったのかも。ああどうしよう。。というようにビクビクします。
(なお心虚はない(心が虚すと死んでしまうから)と考えるので、ここでは虚証として考えません。)
このような場合、対処法もそれぞれ違ってきます。
肝居タイプは、冷静に状況を分析して対応するようにします。
優柔不断の記事でも紹介しましたが、肝虚タイプは状況に応じた正しい判断を下すことができます。
百会という頭のてっぺんの経穴を指で押して、怒りの蒸気を抜くのがよいです。
脾虚タイプは知恵(意智)をもって困難を乗り切ることができます。それを行うためにはからだを休め、力をつけることが大事です。
肺虚タイプの場合は脾虚とは反対に少し運動などでからだを動かすのがよいです。
気を巡らせ、鬱々した気持ちを発散させれば、立ち直ることができます。
腎虚タイプは、目的をはっきり持つ(志)ことで、漠然とした不安から気持ちを解放させます。
深呼吸で心身を落ち着かせるのがよいと思います。
腎がしっかりすれば、根気をもって困難に立ち向かうことができます。
からだの不調はさまざまな原因が絡んできますので、落ち込んで思い悩んだから脾虚だね、と簡単には決められません。
とはいえ、感情から体質を知るきっかけになるかなと思います。