ため息をつくと幸せが逃げる?幸せになる?
落ち込んだ時、うまくいかなかった時など、思わずはぁ~っとため息をつくことがあると思います。
また、イライラした時やあきれた時など、あーもうやってられるかよって気分になって思わずため息ついてしまったということも、あるかと思います。
反対に、近くの人がため息をついていると、ああ何か嫌なことがあったんだな、と思いつつ、「ため息をつくと、幸せが逃げるらしいですよ(だから止めてください)」などと声をかけ、やんわり制したりして。
どうやらため息は、ネガティブな感情が高まった時に、なかば無意識についてしまっているようです。
ではなぜ、ネガティブな感情の時にため息が出るのでしょうか?
そのへんを東洋医学的にみていきたいと思います。
東洋医学では、病気になる原因として「外因」「内因」「不内外因」の3つを挙げます。
外因は、外側からの原因、つまり五邪(風・暑・湿・燥・寒)で、気候や環境の影響で病気になるとしたもの。
体が弱っていると、それぞれの季節の特徴的な気候(例えば夏の暑さ)に耐えられず、病んでしまうということです。
内因は、内側からの原因、つまり七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)で、感情の変化によって病気になるということです。
現代的には、さまざまなストレスを感じることと言い換えることができるかも。
不内外因はそれ以外の、労倦、過房によって病になるものです。
特に内因によって、気が安定を欠いてしまい、様々な身体状態を引き起こします。
怒→気が上がる…イライラ、眠れない
喜→気が緩む…失神
思→気が結ぶ…食欲低下
悲・憂→気が消える…うつ
恐→気が下がる…失禁
驚→気が乱れる…錯乱
このように、病気になるほどストレスをため込んでしまうのは問題です。
こうなる前、ちょっと気が損傷したり、気のめぐりが悪くなった時などに、なんとか気を動かそうとするのが、ため息です。
七情のうち、特に思(思い悩む)や悲では気が滞ったり、不足した状態になるので、ため息がでやすいのです。
怒も、気が上に行きっぱなしになるので、下に引き戻そうとするため、ため息が出ます。
とはいえ、その場しのぎの感は否めません。
ため息は、このままの状態を続けるとからだによくないですよ、というアラームです。
ため息ばかりついてるなと気が付いたら、休みを取る、友達と会って話すなど、状況に応じた対策をとることを考えてみるといいかもしれません。
そういうきっかけをもたらしてくれると考えると、ため息も悪いものではないのかも。
人前で連発するのは、よくありませんが。。