女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

からだを冷やさないことと、温めることは違う?!

妊活で大事なのは、からだを冷やさないことです。

不妊の改善のために、からだを温めましょう。

不妊治療中、どちらもよく聞くことであり、どちらも大事なことです。

でも、同じことを言っているようで、実はちょっと違います。

どういうことでしょうか?

 

からだを冷やさないということは、からだの熱を奪われないようにするということです。

一方、からだを温めるということは、冷えたからだをもとに戻すことと、血流をよくすること。

そしてからだの熱量をふやすということです。

どちらも最終的な目的は温かいからだを保つ、ということなのですが、これをごっちゃにしてしまうと、逆効果にさえなる場合もあります。

 

からだを冷やさないために

空気層を保つ

からだはその熱を保つために、体毛の間に空気層を作っています。

寒いときセーターやダウンジャケットを着るのも、体温で温められた空気層を厚くするためです。

そのため、風にあたり続けたり、水に浸かったり寒いところにいると空気層が飛ばされたり冷やされたりしてからだが冷えます。

 

体温を奪われないようにする

からだが熱を持ちすぎそうになると、汗をかきます。

発汗は、からだの表面に水を撒き、蒸発する際に熱が奪われる作用である気化熱を利用した、積極的にからだを冷やそうとする働きです。

 

冷たいものを摂らない

からだの内部(内臓など)は37度ほどに保たれてますが、冷たい物を飲んだり食べたりすれば、その分温度が下がります。血管は収縮して血流は悪くなり、内臓の働きが悪くなります。さらにそれをもとに戻そうとするために無駄にエネルギーを消費してしまいます。

 

からだを温めるために

血流をよくする

寒いところでは、熱の放散を防ぐため末梢血管が収縮します。

温かいものに触れたり、ストーブにあたったりすると、血管が広がって血流量が増えるので、冷えていたところが温まります。

また、からだの熱は、血液によって全身に行き渡ります。例えて言えば、床暖房。ボイラーで温められた水が床下の配管を流れることにより、床が温められます。

それと同じように、きちんと血流が保たれていればからだはちょうどよい体温を保つことができます。

 

筋肉を動かす

血液は筋肉を動かすときにできる熱を利用して温められます。

(高校の生物的に言うと、ATPが消費され、ADPになるときにエネルギーが放出されます。)

激しい運動をしなくても、ストレッチなどでからだがポカポカしてくると思います。

筋肉による熱産生なので、筋肉量が多いと熱も多く産生されます。

 

食事を摂る

食べ物を消化吸収する過程で、熱が生まれます(食事誘発性熱産生)。

温かい食べ物を摂るからからだが温まるだけではないんですね。

また安静時には、肝臓が吸収した栄養素を代謝する際にも熱が産生されます。

 

これらのことを踏まえると

靴下を履く→冷やさない

運動をする→温める

食事をする→熱を作り出す

など、行動を分類できるかと思います。

今どれが足りなくて、何をすればいいのか、この区別がついていると分かりやすくなるのではないかと思います。

からだを冷やさない、温めるをうまく組み合わせて温かいからだを作るためにどうすればいいのか?はまた説明したいと思います。