NHK連続テレビ小説「なつぞら」主題歌、スピッツ「優しいあの子」の感想
スピッツが主題歌を担当する朝ドラが4月1日より始まりました。
毎日スピッツの曲がテレビから聴ける幸せな半年間のスタートです。
とはいえ、一体どんな曲なのか、放送前はちょっと不安に思うこともありました。
スピッツらしさを押しとどめて、朝ドラのイメージを壊さぬよう、そして誰もが文句を付けないような面白味のない曲になっているかもしれない。。
しかしながら、そんな心配はまったくの無用でありました。
そんなことを考えていたことすら情けなく申し訳ない気持ちになる、とても素晴らしい曲だったからです。
スピッツはもうすでに、とっくにそういうステージに行っていたということなんですね。
まず、明快で美しいイントロに心を掴まれました。
このメロディー、今までなかったの?と思うくらい耳馴染みがよく、1回聞いただけでも鼻歌できるようなシンプルさ。
このメロディー嫌いな人いるんでしょうか。
ギターの音色も優しい。
続いて軽快なリズムを刻むAメロですが歌詞は厳しく、スピッツらしさを見せます。
♪~重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて~♪
明るく歌う内容ではない…。これが北海道の冬なんだな、と思わせてくれます。
♪~めげずに歩いたその先に 知らなかった世界~♪
苦労してたどり着いた先の「知らなかった世界」はよいところなのか悪いところなのか、わかりません。
簡単に「明るい未来」とか「輝く明日」ではないんですね。
続いてBメロは少し憂いを含むメロディーに。
♪~氷を散らす風すら 味方にもできるんだな~♪
厳しい経験を生かすということかなとか、どんな状況でも克服できる方法があるのかも、とか、自分の置かれている状況とか過ごしてきた経験とかでいろんな解釈ができそうです。
「知らなかった世界」をよくするのも悪くするのも自分次第ってことなんですね。
「できるんだな」っていうのがとてもいい。「できるんだよ」とか「なるんだね」だと人から言われているみたいになりますが、「できるんだな」だと自分で経験したからこそ気が付いたというたくましさを感じます。
だからこのへんでちょっと泣きそうになるのか。
それと、散らす、のところがちょっと短くメロディに乗ってるところがいいアクセントになっていますね。次のフレーズの、られる、のところも。かわいい。
♪~切り取られることのない 丸い大空の色を~♪
「切り取られることのない」という歌詞、素敵ですね。
空の広さをこういうふうに表現するんですね。
確かに、都会の空は電線や建物で切り取られまくってます。
そういう邪魔なものは何一つない十勝の空に思いを馳せてしまいますね。
そしてその空は丸いと。
「切り取られることのない」という言葉で「広さ」を表現してからの「丸い大空」で、風景が一気に3D、全方向に広がります!見事だ。。
そして広大な景色はそのままサビに向かっていきます。
♪~優しいあの子にも教えたい~♪
サビのメロディーはイントロと同じ。
そのせいか、盛り上がりつつも懐かしさやほっとする感じもします。
そして「教えたい」のは大空の「色」。
アニメーターのお話だからなんでしょうか?
「優しいあの子」とはきっととても大切な人で、その人に伝えたいくらいとにかくきれいな色なんだなということが想像できます。
いったいどんな美しい色をしている空なのか。
そんな空の下にいる自分は元気にやってます、というメッセージのようでもあります。
♪~ルールールールールールールールールールールールルー~♪
スキャットで、もう一度サビのメロディーが繰り返されます。
その思いは、マサムネさんの爽やかな風のような歌声にのって、きっと「優しいあの子」にもいつか届くでしょう。。と思わせる気持ちの良いスキャットです。
1番はこれで終わりまして、2番の途中まで月曜日に聴くことができます。
2番の内容もなかなかのハードさです。
都会で頑張るなつのことかな?
早く曲の全部が聴いてみたい!
シングル発売までまだ2か月ありますが、待ちきれませんね。
ところで、雰囲気は全然違うけどこの曲の展開が「ロビンソン」に似てるんじゃないか?と思っています。
惹きつけられるきれいなイントロ→軽快なリズムに暗い歌詞のAメロ→ちょっと寂しげなBメロからの→圧倒的なサビはイントロと同じ(歌のバックで流れてるギターのアルペジオ)
いかがでしょうか?
だとしたらすごいヒット曲になるかも?
ロビンソンはこれ↓に収録されてます。