腰痛を起こす意外な疾患とは
腰痛はさまざまな要因で起こりますが、骨に異常がない場合、たいがいは筋肉の動きの悪さに起因しています。
筋肉の動きを悪くする原因はさまざまで、時にストレスなどの場合もあります。
特に慢性的な腰痛は、最近では心因性も関係していると考えられるようになりました。
さまざまな原因をもつ腰痛ですが、女性の場合、考えられる意外な原因があります。
整形外科でレントゲンもMRIも撮ってみたが異常がないのに激痛が消えないということがあります。
生理痛のいち症状として腰痛があるように、骨盤内の内臓に問題がある場合に腰痛として現れることがあるのです。
子宮筋腫や卵巣嚢腫があると、子宮や卵巣への血流が悪くなりますし、それらが大きくなっている場合、骨盤腹膜などへの負荷も高くなります。
そういった周辺臓器への影響などもあり、腰痛が引き起こされると考えられます。
痛みは腰の下の方、骨(腰椎、腸骨や仙骨)の縁や臀部(おしり)の奥の方などに出やすいです。
神経が刺激されていると足の方に痺れが出ることもあります。
痛み自体は鍼灸治療で軽減させることができますが、しばらくすると再発することが多いです。
子宮筋腫など良性腫瘍は手術をせずに温存しながら経過観察することが最近は多いですが、激しい腰痛がある時は、手術にて取り除くことにより痛みがパッタリ出なくなることもあります。
整形外科では気づきにくいのですが、このような場合もありますので、慢性的な腰痛に悩んでいる方は婦人科も受診してみることもおすすめします。
なお、腎盂腎炎、尿路結石や大腸に異常があるときも腰痛が出ることがあります。
何もしないのにずっと痛い、夜間も痛むという場合は婦人科に限らず内臓系を疑ってみることもありかと思います。
東洋医学的には瘀血が関係していると考えます。
瘀血によって血の流れが滞り、いきわたらないところには冷えや動きの悪さなどの不具合が出やすくなり、それによって痛みが発生するということです。
鍼灸治療で瘀血を取っていくには時間がかかるので、痛みの程度によっては外科的手段も検討する方がよいと思っています。
西洋医学と東洋医学をうまく使い分けることが健康維持には大事と思います。