女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

優柔不断も鍼灸で治る?!

みんなで食事に行ったときになかなか食べたいものを選べない。
旅行で行きたいところを絞れない。
あれでよかったのか過去のことを振り返る…

こんな人がいたら、優柔不断だなぁーと思うでしょう。

 
【優柔不断】ぐずぐずして物事の決断のにぶい・こと(さま)。(三省堂 大辞林
 
辞書なだけに直球ですが、、なかなかすぐに決められないという人やその様子のことを表した言葉です。
 
優柔不断に陥ってしまうのは、つねに何がベストチョイスなのかを考えてしまうという思考があるからです。
それを反対から言えば、臆病ということになります。
ベストな選択をしないといけない、という不安が、その裏にある訳です。
なんでもいいんじゃない。
決めたいんだけど、決められない。
どうしてそのような心理状態になるのでしょうか?
 
東洋医学では、肝・胆というところが、決断する力を担っています。
肝と胆は陰陽の関係で、つながりの強い臓腑です。
「素問」という古典では、
 
肝は将軍の官。謀慮これより出づ
胆は中正の官。決断これより出づ
 
という記述があり、将軍である肝が作戦を考え、胆がブレのないスタンスで決断をする、としています。
つまり肝・胆がしっかりしていれば、迷いなくてきぱきと物事を処理することができるのです。
肝はまた、「血を蔵する」という仕事を持っています。
適切な量の血を蓄え、適切な場所に配分して、いつもからだがきちんと働くように管理しています。
どういうことかというと、
日中は脳や手足に血を巡らせ、スムーズに活動できるようにします。
夜中は肝に血を戻し、睡眠状態に移行することで、活動で消耗した脳や手足を休めます。消耗した分は脾から血を取り込み、安定的な貯蔵量を確保して翌日に備えます。
このように肝がきちんと働いていることで、滞りなく活動ができるのです。
 
ところが、仕事や運動など日中の活動をしすぎたり、ストレスで血を過度に消耗すると、肝を弱らせてしまいます。
そうすると肝の特徴であるスムーズに物事を運ぶ能力が損なわれ、活動に支障がでてしまうのです。
肝がきちんと働いていないと、筋肉がひきつってうまく動かなくなったり、頭痛やめまいを起こしたり、月経不順や痛みが出たりします。
精神面でも、物事がスムーズにすすまないのでイライラするようになります。イライラするほど熱量がない場合、決断力が鈍るのです。
 
生理前に、普段はそうでもないのにイライラしたり、優柔不断になっていること、ないでしょうか。
これも子宮に血が集まることで肝虚の状態になっているから起きるのです。
 
そのため、肝虚証の状態を鍼灸治療でよくしてあげると、もとの決断力ある自分を取り戻すことができます。
また、性格的に優柔不断があるような方は、もともと肝が弱りやすい体質であると言えます。
肝が弱ってどこかに不調が出るようなときは治療で補えばよいのですが、体質なので、もとから治そうとするよりは、そういう傾向にあるんだなと考えて受け入れることが大事です。
そうすることで、自分をコントロールできるようになるのではないでしょうか。
例えば、なにかを選ばなきゃいけない時は好きな色で選ぼうとか決めておくなどしておけば、決められずに落ち込んだりすることも少なくなると思います。
 
鍼灸治療を受けることで、体質的な傾向もみえてきます。
そうすればむやみに悩むようなことも、少なくなるかもしれませんね。