夢と体調
このところの暑さで寝苦しく、眠りが浅いというかたも多いのではないでしょうか。
眠りが浅いと夢を見ますが、覚えていやすいからだとか。
夢は覚えているかどうかにかかわらず、レム期の時間帯は見ているそうなんです。
まあでも、覚えていない夢は見てないのと同じですが。
さて、東洋医学では、体調によって夢の内容が左右されるという考え方があります。
古代の中国では夢占いが盛んだったという背景もあり、実際夢で物事の吉凶を占って行動の判断に用いていたようです。
三国志などにも出てきたような?
東洋医学の夢に関する記述は「黄帝内経」の「霊枢編」にあります。
「怖がりながら大きな川を徒歩で渡る」
これは陰が旺盛の時に見るそうです。
陰が旺盛、つまり冷えている時ですが、怖がりながらというところから腎虚も関係してそうです。
「大火事にあって焼かれる」
これは陽が旺盛な時です。
やはりからだの熱が熱さを苦しく感じて火事の夢になるんですかね。
火というところから、心臓に気をつけた方がいいかも。
「互いに殺しあう」
物騒な悪夢ですが、これは陰と陽どちらも旺盛な時に見る夢とされています。
陰陽どちらも旺盛という状態はあまり経絡治療では出てこないですが、せめぎあう感じが夢として殺し合いになるのはすごい。
五臓の虚がある時の夢は、やはり木火土金水に対応した夢になっています。
夢にも五行説、まあ基本理念なので。
肝虚の時は森や樹木が夢に出るとのこと、そのままですね。
心虚(経絡治療では心虚は考えないけど)の時は、山に火煙が上がっている状況です。
相生関係として、「木生火=木が燃えて火が生じる」に準じていると読めます。
脾虚の時は丘陵や沢、風雨の中の破れ屋が現れるそうです。
これはどう解釈するのがよいのか?脾虚の時は湿のバランスが乱れるからか?
肺虚の時は、からだが飛揚する。金属製の怪物が現れる、とのこと。
肺は発散する作用があり、気が上昇方向に動くので、それを受けてからだが浮かぶイメージになると考えられます。
金属製というのは、肺の五行は金なのでこれはわかりやすい。
腎虚の時は、深淵に臨む、水中に沈む夢です。
腎は水に関わる臓で、陰気が強いのでこのようにうちに向かう感じの夢になるんですね。
夢は記憶を整理し最適化する過程で出てくるものらしいですが、ストレスがあると追われる夢として現れたり、心身の状況が反映されているようにも思います。
いろんな夢占いがありますが、陰陽五行説に当てはめて体調を推測するのも面白いかもしれません。