風邪を予防して元気に秋を乗り切ろう!
風邪のひき始めの対処法について先週ご説明しましたが、そもそも風邪を引かないように予防することが大事です。
(先週は寒暖差が大きかったせいかすでに風邪を引きかけていた方が多かったので、そちらを優先しました。)
風邪は予防できる病気です。
風邪は風の邪と書きますように、風が悪さをするからかかる病と考えることができます。
しかし、風は外に出れば常に吹いています。
風に当たれば必ず風邪をひくわけでもないですし、同じ環境にあっても風邪をひく人とひかない人がいます。
風を邪とするかどうかは、自分自身なのです。
冬は必ず1回は風邪をひいてしまう、という方もいらっしゃるかと思いますが、丁寧に気を付けて過ごせば、風邪をひかない秋冬ライフを過ごせると思います。
風邪の予防について、東洋医学的な視点を中心にみていきましょう。
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風にあたらない
風邪は、風邪を”ひく”と言いますが、風邪に”かかる”とは言いません。
上述したように、風そのものは悪者ではないのです。
風が邪となるのは、風をからだに引き込んでしまうから。
そのため風邪を”ひく”と言うようになったと考えられます。
実際、風はからだの熱を奪い、からだを冷えさえて免疫機能を低下させます。
風をからだに引き込まないようにするには、風にあたらないのがまず第一に大切です。
首や肩、足首などは露出していることが多い場所です。
ストールを巻く、靴下やタイツをはくなどして、直接肌が外気に触れないようにします。
余計な侵入を防ぐ
東洋医学から一旦離れますが、風邪の正体はウイルスです。
ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどが代表的なウイルスで、それぞれ鼻症状、咳、のどの痛みや熱などが主な症状になります。
ウイルスは、細菌とは違い生物とは言い切れないちょっと特殊な分類にあり、生物ではないので抗生物質は効きません。
また、細菌の1/100ほどの大きさで、電子顕微鏡でなければ確認できません。
空気中に漂っていますので、常にからだに入ってきてはいますが、免疫機能がそれを日々破壊しています。
手洗い
免疫が追い付かないほどの侵入を許さないためには、手洗いが有効です。
帰宅後はなるべくすぐ手を洗いましょう。爪の先や手首の方まできちんと洗うのがよいとされています。
とはいえ手洗いした後に顔、髪、服、カバンを触っては意味がないので、玄関などで上着を脱いだり、カバンなどをもとの場所においてから手を洗った方がよいかもしれません。
なお、服やカバンなどに付着したウイルスは2~8時間で不活化します(体外では自己増殖しない)ので、あまり神経質になりませんよう。。
鼻呼吸を心がける
マスクでは、ウイルスの侵入は防げません。
外出先から家まであまり口をあけず、呼吸は鼻からするようにします。
鼻には粘膜があり、吸った外気を温め、湿度を与えます。風邪のウイルスは湿度を好みませんので、鼻腔を通過することでウイルスを弱めることができます。
睡眠をとる
免疫機能を十分発揮するためには、からだがよく休まっている必要があります。
からだを休めるということは、栄養を取り込み、弱った部分を修復することです。
また、寝ている間に、侵入してきたウイルスを免疫機能が破壊して発症を防ぎます。
深酒しない
お酒は五味でいうと辛味なので、風邪のひき始めに少量摂り、発汗させるのには悪くはないです。
ですが、たくさん飲むと汗をかくことで体感的には暑くなりますが、からだは冷えます。
部屋(からだ)が暑いからと窓を開けそのまま寝てしまうようなものです。冷たい秋の夜風がどんどん吹き込みます。
また、アルコールには脱水作用があるので、潤いが必要な粘膜にダメージを与えます。
忘年会などの後は、細心の注意が必要です。
白いもの食べる
五行で肺と同じ分類の色は白。
白いものは乾燥に弱い肺に潤いをあたえ、肺の働き(防御機能)を助けてくれます。(ごはんは白いけど分類は黄色)
長ネギ、レンコン、大根、梨などは日ごろから積極的に摂りましょう。
これらの食材は、風邪をひいてしまったからだにも有効です。
レンコンは特によく、粘膜を増強してくれます。
経穴を利用する
首をうなだれた時に首と肩の境あたりにボコッと骨が出っ張りますが、その骨の下に
大椎という経穴があります。そこを頂点とした1辺5cmの三角形を作り、残りの2点が風門という経穴になります。
この三角形部分に風が当たらないようにしたり、温めたりすると、風の侵入を防ぐことができます。
日ごろからストールを巻く、ドライヤーやシャワーを当てるなどしておくとよいと思います。タオルを首に巻いて寝てもいいかもしれません。
使い捨てカイロは熱くなりすぎますし、頭に近いのでのぼせることもあるので、ここには使わない方がいいかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
難しいことはなく、少しの心がけで風邪は防げると思います。
自分が苦しまないだけでなく、他人にうつさないようにするためにも、ちょっとだけ頑張ってみてください。
からだを冷やさないことも大事↓