「スポーツの秋」には理由があった!秋は体を動かそう。
9月になってもまだ暑い日が続きますが、朝晩の気温や風の感じは、夏とは違って気持ちよくなってきています。
気づけば日差しも弱くなってるし、暗くなるのが早い。
秋が来ていますね。
秋は五臓では「肺」が配当されてます。
西洋医学の肺は呼吸器の機能をもつ臓器ですが、東洋医学は臓器を指すのではなくて、機能そのものを「肺」という言葉で示しています。
「肺」の仕事は気を体中に巡らすこと、体表面をガードすること、汗の調整をして体温を維持することなどがあります。
また、支配域は肺だけでなく鼻、気管支、皮膚、大腸など、外気と接する体表面に関係するところになります。
大腸はなぜ?と思いますが、消化管のなかで一番外に近いからです。
だんだん下がってくる気温からからだを守るため、また冬の寒さに対応するからだにするため、秋には「肺」が活躍します。
「肺」は体内での働きは粛降といって引き締める、下に向かう力をもっていますが、からだから外に対しては、宣発作用といって、発散させる作用があります。
たとえば汗をかいて熱を逃がすとか、息を吐く(呼気)働きです。
秋は五味では「辛」が配当されていますが、辛みは発汗作用があり、「肺」の宣発作用を助けてくれます。
でも、これから寒くなる秋に、なぜ敢えて汗をかく作用が必要なのか。
それは、夏の間に体に残った余分な熱を発散するためです。
からだに熱が残っていると、秋の五邪である「燥」を助長してしまい、「肺」が乾燥しやすくなってしまいます。
「肺」の支配域が乾燥しやすくなる=鼻やのどを傷めやすくしてしまうということです。
また、冬に余計な汗をかいてからだを冷やすことがないようにするためでもあります。
木が葉を落とすように、冬は余計なエネルギーを消費するものはなるべく持っていない方がよいのですね。
そのため、秋には運動をして汗をかくのがよいとされます。
秋は日も短くなってきますので、一日中運動しすぎることもありません。
外で運動するにはもう寒いかな、となったら冬に備えておとなしく過ごすように切り替えるタイミングです。
ここで冬も動き回ってエネルギーを消費しすぎると、春に思うように動くことができず、五月病になりやすくなったりします。
季節にあわせて無理なく過ごすのが、養生の基本なんですね。