からだの中はキレイです。
最近、血液クレンジングが話題となりました。
この健康法?は以前からあったようなのですが、芸能人などのインフルエンサー?により広まったみたいですね。
クレンジング、という名から血をきれいにしてくれるイメージが湧きますが、実際は静脈血にオゾンを混ぜて再び血管に戻すということらしいです。
赤黒い血がオゾンと混ぜることで鮮やかな赤に変わるので、見た目にも血液がきれいになったように見えるのですね。
この療法が、どうなんだろう?と思う点はいくつもあります。
血液の色について
赤血球のヘモグロビンを構成するヘム鉄は、酸素と結びつくと赤色になる。(鉄が錆びる(酸化する)と赤くなるのと同じ。)
そのため、肺から酸素を取り込んだ血液はきれいな赤い色をしている。
肺からの血液は、心臓に行って拍動によって動脈を通り、からだの隅々の細胞まで酸素を届ける(動脈血)。
細胞に酸素を供給したら、細胞内で発生した二酸化炭素を回収し、静脈を通って心臓を経由して肺に戻る(静脈血)。
静脈血は、酸素を手放した後の血液なので、赤黒い色になっている。
血液クレンジングは、酸素を手放した静脈血にオゾンを混ぜるので、ヘモグロビンが酸素と結合して明るい赤色になる。
オゾンを混ぜる意味について
オゾンは酸素原子が3つ結合した分子。(酸素は酸素原子が2つ結合している。)
静脈血は、細胞に酸素を供給した後肺に行って二酸化炭素を放出して酸素を受け取る。
肺に帰る途中である静脈血にオゾンを混ぜても細胞には届かず、結局に肺に戻って酸素を受け取ることになる。
オゾンは不安定な分子で、酸素になろうとする性質が強い。
酸素になる時(O3→O2)離した酸素原子が他の物質を酸化させるのだが、殺菌に使われるほどその作用は激しい。
もともとの血液クレンジングの目的は、こうしたオゾンの強い作用を用いて、がん細胞や肝炎ウイルスの増殖を抑えようとしたところにあると思われる。
とはいえ、採血するのは100ccほどということ。
それは全血液の約2%に過ぎないので、からだに影響を及ぼし得るかは不明。
それに赤血球の寿命は約120日なので、赤血球の改善になるかどうか。。オゾンが赤血球を作る骨髄の細胞に働きかける作用があるのか。。それはそれで怖いが。
血液クレンジングは、名前がキャッチーなのもやってみたくなる要因のひとつなのかなと思います。
血液は汚れてなどいないのですが。
自分の血を少し取り出してまた戻すだけなので、直接的にはからだに良くも悪くもない作業だとは思います。
とはいえ、血液をいったん取り出して戻す過程において、感染症のリスクがゼロではないという危険性もあります。
オゾンも量によっては猛毒(強酸化作用のため)です。
黒い=汚い、鮮やか=きれい、という単純なイメージに飛びつかず、それがどういう意味があるのかを自分なりに考えてからやってみることが必要なのではないかな、と思います。
だいたい、大脳がよかれと思うことは間違っているんですけどね。↓
subaruhari9.hatenablog.com
健康法を試せる時点で、健康なんだと思います。
自分のからだを、もっと信用してあげてもいいんじゃないかな。