鼻血をよく出す子どもは、胃腸を元気に!
子供は時々鼻血を出すことがありますね。
しばらく安静にしていれば、止まります。
ほとんどの場合、問題があることはありません。
鼻の穴の奥には、毛細血管が集まっている粘膜があり、鼻から吸った空気を温める働きがあります。
この粘膜が薄く、少しの刺激で出血しやすいのです。
そのため、鼻を無意識に触っていたりして気づかないうちに鼻粘膜を傷つけていて、鼻血が出る、と考えられています。
ですが、チョコレートを食べると鼻血が出るとも言われます。
確かに、このことについて医学的根拠は薄いようです。
チョコレートのカフェインの影響で血圧が上昇し、それで鼻の毛細血管が破れやすくなると考えられなくもないんですが、因果関係ははっきりしていないようです。
しかし、東洋医学でこの鼻血を考えてみると、いくつかの原因が考えられます。
ひとつは肩こりです。
肩こりがあって首周りの血流が悪くなると、熱が籠ってのぼせがでることがあり、それによって鼻血がでるというものです。
肩こりによるのぼせは肝虚証で現れやすい症状です。
子どもより大人がなりやすいかもしれません。
大人の鼻血のもうひとつの原因は、腎虚証によるものです。
腎虚証は心を剋(こく)す関係にあり、要するに腎虚は心疾患になりやすいのですが、高血圧による鼻血ということになります。
これはあまりない鼻血ですが、注意が必要な部類になります。
さて、こどもの鼻血ですが、脾虚証の場合が多いです。
脾は統血作用という、血を外に漏らさないようにする働きがあります。
脾が弱いとこの統血作用も弱くなるので、出血しやすくなります。
鼻血に限らず、歯茎からの出血とか、生理の出血がダラダラと続く、などの出血傾向の症状が出やすいです。
また、脾はからだの消化機能をつかさどっています。
胃腸の調子が弱っているときは、他からの影響の結果ということもありますが、基本的には脾が虚していることによります。
つまり、胃腸が弱いと脾虚証である場合が多く、脾虚証だと出血しやすい、ということになります。
なので、鼻血をよく出す子どもは胃腸が弱い傾向にあるので、胃腸を整えて脾を補えば、鼻血も出にくくなるのです。
成長するにつれて胃腸がしっかりすることもあり、子どもの鼻血は減っていきます。
また、チョコレートとの関係についても、甘味の摂りすぎは脾を傷(やぶ)るので、甘味の強いチョコレートが脾に悪影響があると、考えることもできます。
一見関係ないような鼻血とおなかの調子も、東洋医学では関係があったりします。
部位ごとに症状をみるのではなく、全体で考える東洋医学の、おもしろさのひとつかなと思います。