女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

そもそも自律神経って何?

自律神経。

よく聞く言葉です。が、どんな、何をしている神経なのか、ご存知でしょうか。

自律神経が何かも知らないで、やれ自律神経が乱れてるのかな、とか、やれストレスから自律神経失調症になったみたい、などと言っている日本人のなんと多いことか。

と、チコちゃんに叱られそうになりますが、言葉としてつい使ってしまうので、ここで一度整理しておきたいと思います。

 

---Contents---

 

 自律神経とは

脳や脊髄(中枢神経)から体中へ伸びている、末梢神経の一種です。

 

*運動神経(筋肉を動かす。筋肉に分布)

*知覚神経(感覚から得る情報を集める。皮膚、感覚器に分布)

*自律神経(無意識に生命維持のためからだを調整する。血管、内臓、腺、筋肉などに分布)

 

自律神経はさらに、交感神経と副交感神経の2種類があります。

このふたつは、正反対の働きを持ち、そのバランスを取っています。(拮抗的二重支配)

 

自律神経のおもな働き

交感神経は、活動する時、緊張した時などに働きます。

闘争か逃走(fight and flight)---戦うか逃げるか反応の時亢進すると考えると、わかりやすいでしょうか。

副交感神経は休息時に働き、からだのメンテナンスを行います。

 

働く場所…交感神経/副交感神経 として

心臓…血圧、心拍数増/減

末梢血管…収縮/拡張

血圧…上昇/低下

瞳孔…拡大/縮小

消化器官…抑制/亢進

気道…拡張/収縮

発汗…亢進/(汗腺は副交感神経なし)

など、他にもからだの様々な働きに関与しています。

 

つまり、交感神経は活動するために、筋肉を動かすよう心臓が活発になり、たくさんの空気を取り込むために気道を広げ、よく見るために瞳孔を広げ、消化活動などは後回しにするため抑制します。

副交感神経はその反対で、心臓や呼吸の機能を抑え、その分消化活動などを活発にし、肝臓でからだに必要なたんぱく質などの合成などを進めます。

 

なぜ自律神経が乱れるのか

自律神経の働きは、脳の視床下部というところで主にコントロールされています。

長時間の労働や、常時ストレスにさらされているような環境にいると、常に交感神経が優位な状態が続くことになります。

しかし、からだの中ではメンテナンス不足による不具合の報告が、どんどん脳へ上がっていきます。

副交感神経を働かせたいのにできない。。そのために根をあげた場所から、さまざまな体調不良として現れてくるのです。

 

自律神経の失調による症状

頭痛、めまい、吐き気、動悸、不整脈、腹痛、発汗、生理不順、のどの詰まった感じ、下痢、便秘、げっぷ、じんましん、だるさ、落ち込み、イライラなど、多岐にわたります。

また、更年期障害パニック障害過敏性腸症候群の原因の一つになったりもします。

 

自律神経の乱れを治すには

まずは交感神経が優位になっている状況をただすことです。

直接的なところを変えるのが難しい場合は、その分よく寝るとか、ストレスを発散することを見つけるとか、なんらかの手をうたなければなりません。

 

また、不具合の起きているところのケアも必要です。

おなかの調子が悪ければ、消化の良いものを食べるとか、深呼吸やヨガなどで呼吸を整えるなどですね。

とはいえ、なかなかすぐには戻らないこともあります。

 

からだに負担をかけていたのが長期間であればあるほど、元に戻すのにも時間がかかることになります。

そうであれば、生活習慣を見直す、転職などして生活環境を変えるなど、思い切った行動が必要な場合もあるかもしれません。

 

鍼灸治療も注目されています

最後になりますが、鍼灸治療はこのような全身症状を整えるのにとても役に立ちます。

たくさんの科をまわらなくても、複数の不調(頭痛と便秘とイライラなど)を一度に診ることができるのは、鍼灸の優れた点ではないでしょうか。

自分でできるケアと並行して利用していただければ、より早く回復につながると思いますので、このような時にご検討いただけましたら嬉しく思います。