女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

春の脈

暦の上では春の土用に入り、夏が間近になっています。

立夏は5月6日、連休明けからは夏です。

やっと暖かくなってきたのにと思いますが、陽はかなり長くなってきていて、日差しも強く、季節が変わっていくのを感じます。

季節が変わると、それに応じて人のからだも変わります。

それを端的に知ることができるのが、脈なのです。

 

治療の前に患者さんの脈をみて五臓の虚を探る訳ですが、その時に脈の深さも診ます。

軽く触れるだけで感じ取れる脈を浮脈といいまして、春によくみられる脈状になります。

春というのは気が上昇し始める時期なんですが、脈も表面の方にあがってくるんですね。

もちろん、体調その他で脈は変わるのですべてそうなる訳ではないのですが、それで

も春になると全体的になんとなく脈が触れやすくなる気がしています。

 

浮脈は季節の脈ではありますが、風邪のひき始めなどからだの表面近くに熱が停滞している時も出ます。

運動した後で汗をかいている時などもそうです。

 

でも、教科書的には春は弦脈という脈が現れるとされています。

 弦脈とは、読んで字のごとく、ピンと張った弦のように固めで緊張感のある感じのする脈です。

弦脈は、からだのどこかに熱があることを意味するとされていて、血虚による虚熱が発生していることを示しています。

春は肝の季節なんで肝虚になりやすく、それで弦脈が出るという理屈。

季節による脈は虚実がないので、病気のものと区別できるということになってます。

ただ臨床上は弦脈自体、あまり遭遇しないような気がしています。

女性を治療しているからかもしれないですが。

 

そんなわけで、自分にとってはちょっと浮いた脈が春を感じさせてくれる脈となっています。

でも脈にそんな違いがあること自体、なんのこっちゃという感じかもしれないですね。

勉強し始めたころはほんとにそんな感じでしたが、慣れてくるとなんとなくはわかる。ような気がしています。

 

とはいえ、血管の収縮や脈拍は自律神経が関係していますので、脈をみるということは自律神経の微妙な変化を感じ取っているということなのかもしれません。

たくさんの情報が詰まっていることは、確かだと思っています。

後はそれを読み取る力の問題ですね。。。

 

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