女性のための鍼灸院 すばるのブログ

横浜市港北区大倉山。静かな町の片隅にある鍼灸院です。鍼灸を通して、妊活、美容鍼、更年期などの女性のお悩みに取り組んでいます。

においも情報源

 最近はにおいについての話題が多いです。

加齢臭を防ぐにはとか、

柔軟剤の匂いがつらいとか、

ベランダからたばこの臭いがするとか。

トイレも少し前と比べると臭わなくなりました。

日本人はにおいに敏感な方なのかもしれないですね。

それでも子供のころは今よりいろんなにおいがしていたなぁ、などと思います。

 

さて、人のからだもいろんなにおいを発します。

ひとつは清潔ではないときに臭いますね。

これは身だしなみとして気を付けたいところです。

もうひとつは、体調が悪かったり、病気の時です。

こちらは、原因となっている症状をよくしていくことが大事になります。

 

治療する側からすると、においも病気を特定する手がかりの一つになります。

まずは、においがするしないでの違いがあります。

どんなにおいでも、においがするのは、熱が旺盛の時です。

食べ物でもそうですが、温かいもののほうが香りがしっかりしていると思います。

温かい方が分子の振動が活発で、においの元の粒子が揮発しやすくなるからです。

ひとのからだも同じで、陰が虚して陽が相対的に旺盛になっている状態は、体臭が出やすくなります。

反対にからだの冷えている陽虚証の人は、体臭があまりありません。

 

また、熱の偏在によってにおいが出ることもあります。

胃熱が強いと口臭が強くなりますし、炎症がある(つまり熱がある)と膿を生じたりして臭いが発生しやすくなります。

からだは冷えていても、部分的に熱の停滞があるとそこが臭うことはあります。

 

また、若い人は陰と陽どちらも旺盛ですので、からだのバランスがそんなに乱れていなくても体臭が発生しやすいかと思います。

一方、高齢者は津液が虚して慢性的に虚熱を持ちやすいので、これもまた体臭が発生しやすい傾向にあります。

そういった意味では、現役世代は陰陽のバランスのコントロールはしやすいといえます。

つまり、陰虚に傾き過ぎないような生活をすることが、体臭予防に効果的になります。

きちんと休養を取り、睡眠をしっかりとることで陰は補われます。

働き過ぎ、食べ過ぎ、遊び過ぎはオーバーヒート、つまり陽が旺盛になり、陰を消耗してしまいます。

加齢臭対策はそれ用のシャンプーなどもいいですが、まずはからだの内側から改善してみてはいかがでしょうか?

 

ところで、東洋医学五行説の分類にもにおいについてもきまりがあります。 

肝=羶(あぶらくさい)
心=焦(こげくさい)
脾=香(かんばしくさい)
肺=腥(なまぐさい)
腎=腐(くされくさい)
どれもやばそうなにおいばかりですが、おそらく相当病状が悪化した時の特有の体臭を示しているのだと思います。
脾の「香」は糖尿病のアセトン臭かなと思いますし、肺の「腥」は結核などでの吐血による血の臭いかなと想像してみています。
 
という訳で、治療する側にとっては体臭も症状のひとつくらいにしか考えていませんので、あまり過剰に気にされずに治療に来ていただければと思います。
 

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