五行の分類をまとめた、色体表
これまで五行説については断片的に触れてきましたが、わかりにくいところもあったかと思います。
五行の分類は色体表といって一覧になっているものがありますので、今回はそれを掲載することとしました。
項目は多岐にわたるのでここでは一部のみとします。
先日寿命の話のところで天干地支に触れた↓ので、それも表に入れました。
少し解説をしますと、
まず特性で紹介されているものは、五行の要素そのものを端的に説明したものです。
木の曲直は木が障害があっても曲がりながら、何もなければまっすぐに伸びていくさまを表しています。
火の炎上は火の燃え上がるさま。
土の稼穡は種まきと収穫の意味で、農業のこと。
金の従革は、決まりに従い改まることで、金属が型にあわせて形作られることを意味しています。
水の潤下は様々なものを潤しながら下に向かって流れていく水の性質のことです。
五季の土にあたるところが土用となっているのは、土用は各季節の最後の18日間のことで、どの季節にもあるのですが、特に夏の土用が土の性質を強く持つので長夏として土のカテゴリーに配当されています。
五声の各音階はその臓に虚がある患者さんの声色を表すと言われていますが、実際はどうでしょうか…?
その辺はわからないとしても、土にハ長調のド(C)が配当されているなど興味深い点はありますね。
さて、身近なもので五行を見つけるには、五色がわかりやすいかもしれません。
木の青は春に芽吹く若葉の色。
火の赤は炎の色。
土の黄は土・大地の色。
金の白は金属に反射する光でもあり、骨の白でもあります。(西方は死を意味したりもするので。)
土の黒は夜、闇の色。
10代のころを青春というのも、この五行からきています。
そういう意味では、更年期じゃなくて白秋といえば聞こえがいいのにな、とか思ったりしますね。
ちなみに北原白秋という作家のペンネームもこの五行に由来します。
このように、色は様々なものに対応しています。
人のからだに表れる色は、その臓の虚を示します。
例えば肝気が強くて疳の虫がある子供の眉間や眼球(白目)は青みがかると言われますし、結核の患者さんは肌の色が白く透き通るようになっていくと言います。
食べ物においても同様で、レンコンや大根など白い食べ物は肺を養います。
黄色は穀物、つまり炭水化物=甘味で、脾を養います。
黄は中央、つまり皇帝の場所の色なので、映画「ラストエンペラー」や歴史の教科書に出てくる皇帝の絵を見ると、皇帝は黄色い衣服を着ています。
これは皇帝しか着ることのできない色です。
…などなど、色にまつわる話はたくさんあります。
そんな感じで、この色体表は鍼灸治療にも欠かせないものなのです。
そして漢方や風水の考え方にもすべて通じています。
春ー肝ー風ー青ー東、、など五行の各要素をみながらイメージを膨らませていくことが、治療を考える上で重要になるんですね。
関係ないように見えるものでも考えてみていくとつながっているので、とても奥が深いものだと思います。