冷え性改善とショウガの関係とは。
冷え性の方で、からだを温めたいからとショウガ紅茶など飲んだりすることがあるかと思います。
ショウガが入っていると、ぽかぽかして冷えたからだが温まりますね。
からだを温めるには手軽に摂れる食材の一つだと思います。
ショウガは五行でいうと、「辛味」になります。
辛味は肺と同じ系列にあり、発散作用があります。
肺についてはこちらをご参照ください↓
ショウガを摂ってからだが温まるのは、汗をかこうとして血管が広がり、血行がよくなるからです。
からだにちょっとターボかけるイメージでしょうか。エンジンを通常の状態より回すような感じです。
(そういえば最近ターボ車ってない・・・)
この血行改善の作用により、末端の血管が拡張して冷えた手足を温めることができるのです。
でも辛味の本来の目的は発汗です。
発汗とはからだを冷やすための作用です。
ショウガを摂ることにより、最終的には、からだは冷えに傾きます。
また、ターボをかけてる状態ということは通常より体力を消耗しますし、エンジンの回転数を上げているだけで、もともとの熱量が産生されている訳ではありません。
そのため、冷え性改善のためにショウガを毎日摂るというような用い方は、逆効果になります。
ただし、このショウガについてのお話は、生のショウガについてです。
ショウガは100℃以上熱すると成分が変化します。
漢方でも、自然乾燥した生姜(ショウキョウ)は発汗作用を期待した処方に用いられますが、蒸してから乾燥させた乾姜(カンキョウ)は胃腸の働きを助ける処方に用いられます。
胃を温める=食欲増進となり、からだを温める作用になるのですね。
そのため、冷え性でない方がたくさん摂ると、必要以上に熱が多くなるのでのぼせや不眠といった症状につながる恐れがあります。
さて自分が冷え性なのか、手足が冷たいだけなのか、案外見極めるのが難しいと思うかもしれません。
本当に冷え性ですと、おなかを壊しやすかったり、何事にも気力がわかなかったり、いつも眠かったり、生理の間隔が長かったり、いつも腰回りが冷えてる感じがしたりします。
そのような、乾燥したショウガを毎日摂らないといけないほどの冷え性は、それほどないかと思います。
実際、乾姜が処方されている漢方薬の適用となる症状は、体力が衰えて胃腸の働きも弱まったようなもの(厥陰病・冷えが強い状態)が多いです。
とはいえ女性は男性に比べ冷えやすいので、冷えについては気を付けていたいところです。
ショウガは例えば炒め物に刻んで入れるなどすれば、熱を通したショウガのからだを温める作用を取り入れることができます。
あまり極端に考えず、ちょっとその効能を利用するくらいの摂り方がよいと思います。