鼻水の不思議
寒い日、ちょっと薄着でいたりすると鼻水が出てきますね。
一方、ラーメンや辛いものを食べたときも鼻水が出ます。
花粉症の時は止まらずに困るときもあるほど。
出ないときは、出ないのに。
鼻水って、どうして出るのでしょうか?
寒い時
寒いと、鼻水が出るのは誰しも経験があると思います。
鼻から吸う冷たい空気を温めようと、鼻粘膜に血液が集まり、粘膜が厚くなることで鼻水が出る仕組みになっています。
東洋医学的には、体表面に冷えが感知されると、温めようとして熱が停滞し、熱が停滞することで冷え(水)も停滞します。
冷えが停滞するとは水が停滞することでもあり、それが溜まって鼻水になります。
この場合の鼻水は透明でさらさらしています。
なお、同じ現象は別のところでも起きます。
足が冷えてトイレが近くなるとか、胃が冷えて口の中に唾液が溜まるとかですね。
余分な水がからだから出てくるときは、冷えがあります。
発熱している時
風邪がひどくなるとのどを傷め、鼻水も白や黄色っぽくなってきます。
白血球や細菌などの死骸が排出されているためです。
東洋医学的には、からだの中の熱が旺盛になって鼻水がその熱を受けた状態です。
熱を受けると余分な水分はドロッと粘性を増し、色が着き、臭いがするようになります。
料理をしていてもわかりますが、水分のあるものは熱を受けると濃度と臭いが増しますね。同じです。
熱いものを食べた時
この場合の鼻水は汗と同じで、鼻水を出して気化熱で冷やそうとしている作用が働くことによります。
熱い湯気が鼻を刺激するので、それから鼻を守ろうとするわけです。
辛いものでも同じです。
花粉症の時
アレルギー反応のひとつで、花粉などの刺激物を流し出そうとして、鼻水がでます。
東洋医学では熱の発散が悪くて水の停滞が起こっている状態と考えます。
その他
なぜ今鼻水が?ということもありますね。
東洋医学的な考え方では、胃に水が停滞しているときに鼻水が出ることがあります。
スポーツして水をのみ過ぎた後とか、いろいろな場合でおこります。
つわりも胃に熱が停滞している状態と考えるのですが、つわりの時期に夜鼻水が出るということがあったりもします。
鼻水が出るにはこのようにいろんな場面がありますが、いずれも体を守ろうとして起こる作用です。
花粉症などで蛇口が壊れたような時は薬で止めないとどうしようもないことになったりしますが、熱を発散したり等、鼻水が出るにも理由があります。
なるべく無理に止めないで、冷えているときは体を温めたり、鼻を咬んだりして対処するのがほんとは望ましいです。
逆流性食道炎を鍼灸で和らげる。
最近、逆流性食道炎に悩まされる方が増えているそうです。
逆流性食道炎とは、胃の入り口である噴門の締まりが悪くて胃酸が食道の方へ流出し、食道壁を荒らしてしまう病気です。
胃酸はph1~2の塩酸です。
塩酸はとても強い酸性の体液なので、食道が常にそれに触れる状況にあると、炎症を起こしてしまうのですが、カメラで確認しても炎症症状が見られない場合もあります。
なお、胃壁は胃粘液が分泌されていて保護膜を作っているので、胃が胃酸で荒らされることがないようになっています。
また、十二指腸には胃酸を中和するアルカリ性の消化液が分泌されているので、胃酸にまみれた食塊が送り込まれてきても中和され、腸壁を荒らすことはありません。
逆流性食道炎の症状
- げっぷ、呑酸があがってくる
- 胃もたれ
- 胸やけ、熱感
- 胸の痛み
- 喉の違和感
- 声がれ
などがあります。
逆流性食道炎の原因は、脂質の多い食生活だったりするほか、ストレスも関係していると言われていますが、明確なものはありません。
また、統計的な見地から考えられているのが、ピロリ菌の感染率が高いと逆流性食道炎になる率が低いことがわかっています。
近年日本ではピロリ菌の感染率が下がっていますが、そのために逆流性食道炎が増加しているのです。
他には前屈みの姿勢や肥満が一因になったりします。
逆流性食道炎の治療
現在のところ胃酸を逆流することそのものを止めることができません。
そのため薬による治療がとられます。
つまり胃酸を抑える薬を服用する治療が主になります。
薬を服用する治療では、噴門の緩みは治らないので、常に薬を飲み続ける必要があります。
東洋医学では、胃や食道など消化器の問題は脾の失調と考えます。
食べたものを下方(腸)に送る作用(和降)のちからが衰えてしまっていることと、胃熱があって胃酸などが過剰になっていることが原因と考えられます。
一義的には脾の失調だとしても、そのまた原因に肝虚があったりすることもあります。
肝虚による虚熱が胃に影響していると、やはり逆流性食道炎の症状を引き起こすのです。
これはストレスを受けたときなどの反応にみられます。
胃炎として現れたり、下痢のような腸の方に影響が出る場合もありますが、それが食道の方にみられたということになります。
治療としては、脾虚か肝虚か見極めた上でその虚を補うことが基本で、あとはお腹の反応をみながら経穴をみていきます。
胃腸症状は背中側に緊張が出ていることも多いので、背中の経穴を使って緩めるのことも大事です。
鍼灸治療で改善もみられますので、お悩みのかたはご相談いただければと思います。
スピッツのCDデザインを考察する 6~「三日月ロック」「スーベニア」
しばらくお出掛けが続いていましたが、またスピッツのアルバムジャケットについて、続きを書いていきたいと思います。
10thアルバム「三日月ロック」:2002年9月11日リリース
前アルバム「ハヤブサ」で暴れてみた後、新しくプロデューサーに亀田誠治氏を迎えて製作されました。
スピッツは、このアルバムで落としどころが定まったように思います。
こういう曲、こういうバンドサウンドを作っていけばいいんだ、という確信を得たような、自信に満ちた安定感を感じる内容になっている。ような気がしています。
ジャケットも、いいですね!
汚部屋の中で足を投げ出し、髪もぼさぼさのままりんごをかじってる女の子が妙に魅力的。
足の裏、汚いぞ。
丸めた紙屑、無造作に結んで放ってあるレジ袋、雑に畳んだTシャツ、いろんな雑貨が散らばり、雑然としているんですが、なんだかおしゃれにも見えてしまう。
青いカーペットとジーンズ、黄色いTシャツと、手前の丸まってるのもTシャツかな?と、赤いスリッパや服?が目につきます。
それ以外は黒と白が多いです。
それによって青、赤、黄のコントラストが際立ち、またそれらがバランスよく散らばっているので、汚部屋なのにきれいに見えてしまうトリックが仕掛けられている、ように思います。
そしてかつてのコダックフィルムで撮ったようなテクスチャーが青、赤、黄のコントラストの強烈さを弱め、部屋全体を経年加工したかのような独特の雰囲気に仕上げています。
絹目写真(懐かしいですね)を見てるような、味のある処理ですね。
TシャツのロゴがSPITZになっているのもおしゃれ~。
なお、この青いカーペットは、CYCLE HITの1枚目で使われているのと同じものなんだそうですよ!
これです。↓
CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection
- アーティスト: スピッツ
- 出版社/メーカー: Universal Music LLC
- 発売日: 2017/07/05
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
11thアルバム「スーベニア」:2005年1月12日リリース
三日月ロックで自分達の場所を定めたスピッツは、安心したのか旅に出ます。
そしておみやげ(スーベニア)を買ってきてくれました。
って感じの、いろんな音楽性にチャレンジした意欲作です。
これまた余白をとてもうまく活かしたデザインですね。
三日月ロックが敢えて(だと思う)余白を設けなかったデザインにたいして、これはかつてのスピッツのアルバムジャケットらしい構成といえるかも。
女の子シリーズは続いています。
イラストっぽく見えますが、写真がベースになっています。
亀さんの重圧感がデザイン全体に安定感をもたらしていてかっこいいですね。
水の流れが鉛筆タッチで描かれているのも素敵です。
その中にさりげなくSpitzとあるのが遊び心というか、センスいいです。
夢のある、アルバムの中身にも期待が湧くような素敵なジャケットだと思います。
五臓を損なう行動とは?
人のからだを支える基本的なシステムとして、東洋医学では肝・心・脾・肺・腎の五臓があると考えます。
以前説明していますね!
五臓にはそれぞれの特徴に応じた働きがある訳ですが、それ故にその働きを傷めてしまう行動が、五行で分類されています。
五労といい、
木ー肝ー久行
火ー心ー久視
土ー脾ー久座
金ー肺ー久臥
土ー腎ー久立
というようになっています。
ひとつずつ、見ていきます。
久行
久しく行けば、肝を傷(やぶ)る
長い間歩く、動くと肝の働きを損なうという意味になります。
肝は血や筋肉をつかさどっています。
長時間行動して筋肉を使い、血を消耗すると肝が弱ってしまうということです。
久視
久しく視れば、心を傷(やぶ)る
長い間視る=目を使いすぎると心の働きを損なうという意味になります。
血を消耗するので、肝にも影響はありますが、目を使うことによる血の消耗は、からだを使わない分心の働きに影響しやすいと言えます。
心の働き、つまり精神的に疲弊する事態を招きます。
つまり、うつや不眠を招くということです。
スマホやパソコンの見すぎで疲れると心も疲れてしまうので、落ち込んでたりするときはちょっと距離をおいたほうがよいかもしれません。
久座
久しく座すると、脾を傷(やぶ)る
長い間座っている=からだを使わないでいると、脾の働きを損なうということになります。
運動しないでじっとしていると、からだの肉が落ちます。
消化機能も働きが悪くなります。
また、座り込んで動かないということは、考え事に没頭していると解釈もできます。
考え事、悩む事もまた脾を弱らせます。
久臥
久しく臥すると、肺を傷(やぶ)る
長い間横になっていると、肺の働きを損なうという意味になります。
ずっと寝てばかりいると、気の巡りが悪くなります。
発散する力が弱くなるので、皮膚病になったり、うつっぽくなったりします。
久立
久しく立つと、腎を傷(やぶ)る
長時間立っていると、腎の働きを損なうということになります。
ずっと立ち続けるということは、腎の支配する骨に負担がかかります。
それにより腎の支配域である下半身、腰を痛めやすくなります。
サービス業などで立ち仕事についている方は、腎虚になりやすく、腰を悪くしがちになるということです。
自分の普段の仕事や行動を振り返ってみて、どんなことを長時間やってしまっているかを考えてみると、どの臓を傷めやすいかわかると思います。
ひとつのことを長くやり過ぎていないか、気をつけましょう!
つわりを少しでも楽に。
つわりは、妊娠初期におこる、主に吐き気などの不調です。
まったく変わりなく過ごせる方もいれば、入院加療が必要になるほどの方もいるほど、個人差があります。
つわりの原因は、ホルモンの変化(HCGが急増)など言われていますが、はっきりと解明されていません。
人によっては出産よりつらい思い出になってしまっている方もいます。
それなのに、妊娠16週目くらいまでに治まるということもあるのか、つわりを取り除く治療は特にないのが現状です。
つわりは、
食べ物の臭いに敏感になる
おなかがすくと気持ちが悪くなる(いつもなにか口にしていたい)
気持ち悪くなるので食べられない
唾が常に口の中に溜まる
からだがだるくて仕方ない
など、症状も個人差があります。
東洋医学でもいろいろ考え方はありますが、胃に余計な熱と水が停滞している状態とみることができます。
下腹部に赤ちゃんが宿ることで熱がそこに集められ、その熱の影響を胃が受けるのだと考えられます。
吐き気というのは、胃の「和降」という食べ物を下(小腸)に送る働きが失調して胃の気が上逆してしまっている状態です。
また、余計な水(痰)が停滞しているので、それを吐き出したいとする現象ともいえます。
そのため、胃の調子を整える治療が重要になってきます。
また、その時期は心包経という経絡が子どもを養うとされているので、心包経が働いています。
それを補うのに心包経上の経穴「内関」を使うと、つわりによいとされています。
内関に置き鍼をしたり、指圧したりするなどです。
漢方薬では胃の調子を整える働きのある「半夏厚朴湯」がよく効くようです。
とはいえ、つわりはある意味自然な現象なので、鍼灸治療で楽にはなることは可能ですが、消し去ることは難しいように思います。
あまりにつらく、食事もとれずにやせてしまうくらい状態の悪いつわりは、病院で点滴などの治療を受けるべきです。
東洋医学では脾虚寒証になっていて、陽気も少なくなっているので、そのままだとからだが弱ってしまいます。
つわりは仕方ないと無理せず、家事などもその間はご主人に任せたり、お仕事されている方も2週間とかまとまった休みを取ったり、時短にしたりなど会社と相談して休むことを検討しただきたいと思います。
妊娠がつらい思い出にならないといいなと思います。
かかとのひび割れは自宅ケアで。
今日は寒くなりました!
12月も中旬になろうかという時期なので当たり前なんですが、冬がきたという感じがします。
さて、冬が来たなと思うことのひとつに、乾燥があります。
手先がガサガサに荒れたり、すねが粉吹いたようになったり。
中でもかかとのひび割れは、ひどいと出血したりもして歩くのが辛くなることもあります。
靴が合わないとか、ブーツで蒸れるとか、かかとが荒れる原因は他にもありますが、乾燥によるということも大きいです。
一方でからだの内側からの原因もあります。
足が冷えて血行が悪くなることです。
血行が悪くなると十分な栄養が届かないので、かかとに潤いが不足して乾燥によって水分が失われる分が十分補えなくなります。
また荒れた皮膚の再生スピードも落ちて、治るスピードより荒れるスピードが早くなってしまいます。
寒い時期、寒い環境下ではからだの先端は熱が奪われやすい部位です。
そのためくるぶしから先の冷えはからだにはそれほど影響がないのですが、かかとのケアを考えたときは少し対策が必要になります。
かかとのケアの方法
冷やさないようにする
部屋のなかでも靴下を履き、かつ底のしっかりしたスリッパを履いて床からの冷えをシャットアウトするようにします。
外出時は足の皮膚の露出を避け、フットカバー&パンプスではなく、ブーツやスニーカーなど足を覆うような靴を履くほうがよいかと思います。
マッサージ
荒れてるなと気がついたら、ハンドクリームでマッサージするとよいです。
かかとを手のひらで包むようにして握りしめ、そのまま手をくるくる動かすようにします。
握り方を変えて、またくるくる動かす。
そんな感じで握る角度を変えながら、温めるようにさすります。
ごしごしこするようにしてしまうと、ひび割れが開いてしまって、反って出血などを招いてしまいかねません。
続けているうちになんとなく足先の方も温かく感じられるようになります。
お灸
自宅用のお灸があれば、足を温めるのに有効です。
かかとのケアには、太谿という経穴にお灸するとよいかと思います。
太谿は内くるぶしの中心と、アキレス腱の中間点にあります。
入浴
お風呂に入って、足先まで温めることも大事です。
足先まで十分温めるにはお風呂が一番有効です。
こたつだと暑くなりがちで汗ばむこともありますので、そうなると水分を失ってしまいます。
かかとのひび割れはいたくなったり、タイツがひっかかったりして初めて気がつくことも多いです。
ひどくなる前に自分のかかとを確認してみましょう。
ひび割れで出血してしまっている状態の場合は、鍼灸治療の際、お灸したりなどでケアできます。
ほかの症状で鍼灸治療を受けにいらした時でも合わせて治療しますので、気になっていたら遠慮なくお話しください。
鍼灸治療を受けるのによいタイミングとは?
鍼灸治療に普段から一定のタイミングで通っている方は別として、たいがいは病院へいったり、他の方法をいろいろ試したりして、ようやく鍼灸治療ならよくなるのでは、とご来院されることが多いです。
- 鍼灸がどういう症状によいのかがわからない
- “はり”の怖いイメージ
- 知り合いに相談してすすめられるまで思い付かなかった
このような理由で、鍼灸院に来るのが最後の手段のようになってしまうようです。
なかにはもっと早い段階でいらっしゃったらなぁということもありますが、もう少し落ち着いてからでも、という場合もあります。
どのようなタイミングでもその状況に応じた治療を選択していますので問題はないですが、できればより効果的にご利用いただければと思います。
ではタイミングを考慮した方がよいのはどのような場合でしょうか。
風邪
ほんの少し、肩がいつもよりこるとか、ぞくっとするとか、のどが変な感じがするとかの異変があった時、鍼灸治療を行うと風邪を予防できます。
ひどい咳や鼻水が出たりするような段階になると、寝込むのは防げるかもしれませんが、ピタリと止めるのは難しいかも。
からだに侵入してしまったウイルスを排除する働きなので、無理に止めるのもよくありません。
一方、風邪は治ったのに咳がしつこく残っている、という場合は鍼灸で改善が見込めます。風邪を引いた時の余分な熱が残っているためで、それを捌ければ治りが早くなるのです。
腰痛
ぎっくり腰になった直後で痛みが強く、動かすのも辛い時はちょっと落ち着くのをまってからのほうがよいと思います。
明日会社!はりならなんとかしてくれるかも!と思いたくなりますが、何事もなかったように痛みが消えることはあまりありません。
でも無駄でもなくて、なんとかトイレに立っていけるくらいにはなったりします。
腰痛は日頃の過労やストレスの蓄積の上に発症します。
まずはからだを休めることが大事ですし、鍼灸でからだ全体の調子を整えることで回復が早まります。
生理痛
お腹の痛い最中でも痛みは和らぎますが、排卵後の黄体ホルモン期から鍼灸治療をすると生理の時の痛みを改善できると思います。
定期的に治療をしていると、生理痛はわりとすぐ出なくなることが多いです。
頭痛
頭痛は頭の痛い時に治療すると楽になりやすいです。
偏頭痛は生理痛と同じで、痛くなる前の段階で治療するのもよいかと思います。
耳鳴り
耳鳴りに気づいて病院へいくのと同時に、つまりなるべく早い段階で治療を開始するのが望ましいです。
なかなか治らず困ってやっと鍼灸治療を、という場合が多いのですが早い方が効果的かと思います。
これらは一例ですが、こんな風に治療によいタイミングを踏まえると、短い期間で効率よく治していけるかと思います。
まずは鍼灸治療という選択肢があるということを知っていただけたらうれしいですね。