気温が急に高くなった時には脱水に気をつけて
夏日を通り越して真夏日つまり30℃越えとなる今週末。
1ヶ月前のゴールデンウィークの始まりごろは20℃に届かなかった肌寒い日々でしたが、1ヶ月しないうちに夏が来てしまいました。。
朝や夜の気温がまだそれほど高くないのと湿度が高くないので、体感的には真夏ほどつらくないかもしれません。
それでも慣れない暑さにまいってしまいますね。
寒がりだからこのくらい暑くても大丈夫、という方もいらっしゃるかと思いますが、気をつけていただきたい点があります。
それが、脱水です。
今の時期は、気温が高くても真夏に比べて汗だくになることはありません。
それは湿度がまだ低いからです。
梅雨の後の日本の夏は、とても湿度が高いです。
人のからだは、汗が蒸発することで気化熱が奪われて、熱を冷ますようにできています。
真夏は湿度が高く、なかなか汗が蒸発しないので、からだの熱が逃げにくくなり暑さを感じやすいという訳です。
つまり、今汗だくになってなくても、同じくらい汗をかいていると考えられます。
洗濯物がすぐ乾くように、汗もどんどん乾いていっているのです。
真夏のように汗だくで熱もこもっている状態だと、水分を取らなくちゃ!という気持ちになりやすいです。
しかし、今日のように日陰や部屋に入ってしまえば意外と過ごせるような時では、汗をたくさんかいたという自覚が持ちにくくなります。
さらに、麦茶を作っておいたり、スポーツドリンクを買っておいたりなど、夏にする作業は今すぐ始めているわけではないので、とっさに飲み物が手に取りにくい状況にあります。
水分を取りづらい条件がそろっているんですね。
熱中症もこわいですが、汗が乾きやすい分、熱がからだにこもりやすいということは夏より少ないと思います。
しかし、気が付きにくい水分不足→脱水症状にならないよう、意識して水分を取るように気をつけていただきたいと思います。
とはいえ冷たいものの飲み過ぎには注意、なんですが。
お灸は、温かさ以外にも効果あり!
すばる鍼灸院では治療にお灸を活用しています。
温かくて気持ちの良い棒灸はじんわり温めたい時に。
コリのある所にすれば、ほぐすのに一役買ってくれます。
ちくっと熱さを感じる直接灸は経穴にピンポイントで熱を入れ込むことができます。
このように、お灸は火を使うために熱による治療がメインになります。
しかしながら、お灸の効果は温熱効果だけではないんです。
お灸はもぐさという、ヨモギの葉を精製したものです。
厳密にいうとお灸とはもぐさを使った治療法で、使うものの方をもぐさというんですね。
もぐさは、ヨモギの葉っぱの裏側に生えている産毛のようなものを取り出して集めたものです。
乾燥させたヨモギを細かく砕いて葉っぱや葉脈部分を少しずつ取り除いていって作ります。
この写真で言うと、右下のものが乾燥したヨモギで、そこから時計回りに精製度が上がっていきます。
最終的にはきれいなベージュ色をしたふわふわのもぐさがとれます。
もぐさのもとがヨモギということがイメージできましたでしょうか。
もぐさを燃やすと、お線香とはまた違う、スッキリしてちょっと甘い香りがします。
精製度の高いもぐさの入った袋を開けた時も、ふわっといい香りがします。
春先にヨモギの入ったお団子など出回りますが、爽やかな香りがおいしさを倍増させてくれますね。
あの香りが、もぐさにも残っているのです。
この香りの効能が、お灸の持つもうひとつの特徴なんです。
主な精油成分
シネオール
防虫剤に使われるショウノウのような、メントールに似たスッとした香りです。
ユーカリ、ローズマリーなどのアロマ製油に含まれるほか、バジリコやローリエの葉にも含まれています。
粘膜における炎症作用を和らげる働きがあり、抗菌や去痰作用もあります。
他にも血行促進や鎮静作用なども。
βカリオフィレン
鎮痛作用や女性ホルモンバランスを安定させたり、不安を和らげる効果もあります。
イランイランやマジョラムといった精油のほか、シナモンや黒コショウにも含まれています。
αピネン
針葉樹にも含まれる香り成分です。食べ物ではミョウガにも含まれています。
血行促進などの働きがあります。
他にも様々な精油成分がふくまれるヨモギですが、香り全体としてはリラックス効果が抜群にあると感じます。
嗅覚は五感の中でも感情や記憶に結びつきやすい感覚です。
香りで心を落ち着かせたりすることも、治療にとても役立っていると思います。
ご自宅でも気軽にできるお灸商品もたくさん出ていますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
5月病?からだに表れるサインを見逃さないで
大型連休があけて2週間、忙しさに追われる日々に戻ると、すでに遠い出来事のような気もしてくる時期です。
4月に就職、引っ越し、進学などで環境が変わり、なんとか連休まで頑張ったものの、休みが明けたらやっぱりつらい…頑張れない…と悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
新しい環境は緊張もするし、周りの人の性格も人間関係もつかめず、仕事もわからないことばかりなので疲れるとは思います。
それが本当に自分にとってしんどくつらいものか、慣れてないだけかはすぐにはわかりにくいです。
それでも、体調に変化が起きてきたら、注意が必要です。
- 食欲がない
- 眠れない
- だるさ、疲れが取れない
- やる気が出ない
- 楽しいことが考えられない
このような症状がみられたら、いまちょっと思ってる以上にしんどいんだなとからだの状態を振り返ってみることが大事です。
ここで焦って、早くなじもうとか、仕事を覚えなきゃとか張り切ると、からだとこころのギャップがさらに広がってしまい、さらに負担をかけてしまいます。
また、すぐ怒鳴る上司がいるなどの不運に見舞われたら、まともに受け止めずに、いったん冷静に観察してみてもいいかもしれません。
自分の処理能力を超えた時に怒鳴るのだな、その上の上司に絶対に悪く思われたくないんだな、などが見えてくると、対応方法も考えられます。
そしてそのことから、会社全体が病んでいるのか、上司個人に問題があるのか、それによって対応も変わっています。
上司個人に問題があればもっと上の上司や人事に相談することもできるでしょうし、そこも怪しければ会社全体の問題で転職も視野に入ってきます。
このように冷静に考えるには、からだがしっかりしている必要があります。
肝虚だと判断力が鈍るし、脾虚では思い悩むばかりで先に進めません。
肺虚だと抵抗力が落ちて風邪をひいてしまいます。
腎虚になると怖がってばかりになってしまいます。
だからこそ、からだの不調を早めにキャッチしてケアすることが大事になってくるのです。
休み明けで十分休んだはずなのに、と悩む必要はありません。
少しでも上記のような不調がみられたら、からだを休め、好きな趣味をしてみたり、家族や友人との時間を取ってみたりなどのリフレッシュを取り入れるようにして下さい。
時間が経てばいろいろ見えてきますので、やはり転職しようとか、あの人は案外浮いてるんだなとかがわかるようになったり、話が合う人が見つかったりなど対応が取れるようになると思います。
気候はよい季節なので、気持ちを整えてなんとか乗り切りたいですね。
岸見一郎、古賀史健「嫌われる勇気」の感想。
久しぶりに読書したので、感想文を書いてみたいと思います。
「嫌われる勇気」は2013年が初版で、当時話題になっていたのは覚えていますが、自己啓発系の本はあまり読まないことや、キャッチーなタイトルなどからちょっと敬遠して手に取らなかったように思います。
それを今なぜ読んだかというと、Eテレの「100分で名著」という番組でマルクス・アウレリウスの「自省録」が取り上げられた際、ゲストとしてコメントされていた岸見一郎先生の語り口が明快でわかりやすく、難しい本の話なのに引き込まれて番組をみてしまったことがきっかけです。
そこで岸見先生の著書はどんなものがあるのかな?と調べてみたところ、この「嫌われる勇気」が検索され、あぁこの本を書いた人が岸見先生なのかと知った次第です。
「嫌われる勇気」は、アドラー心理学について、哲人と青年の対話形式で紹介していく内容です。
アドラーというと、ユングやフロイトに比べると知名度が低いですが、心理学の3大巨匠とも言われていて、特に最近注目されている心理学の大家です。
ユングやフロイトを詳しく知っている訳ではないので比較はできませんが、人間の幸福について、それぞれ独自の考え方で迫ってみているということは同じなんだろうと思います。
最近注目とはいえ、アドラー心理学の考え方は革新的という訳ではなく、むしろ普遍的なことを言っています。
それは足るを知る、一期一会などといった禅や仏教の教えにもみられるし、ブルーハーツの歌詞など身近なところにも似たようなものを見つけることができます。
ただそれを、一部の才能がある人や高尚な人格の人だけがたどり着けるものではなく、誰でもできるんですよ、としているところが新しく、優しいところではないかと思いました。
そういう意味では、動的幸福論というか、幸せになる道筋を実践的で合理的な方法論で切り開いていこうとしていて、机上ではなくフィールドワークの学問という感じがします。
誰でも幸せになりうる。トラウマの否定。すべての苦悩は人間関係にあり。など、端的な言葉でスパスパッと論理が展開されて、痛快ですらあるんですよね。
「課題の分離」「人生のタスク」「人生は連続する刹那である」とか、言葉のチョイスもなんかかっこいいし。
執着や依存を捨てて個人として自立し、人と対等な関係を築くことを目指すので、実際ハードル高めな気もしますが、言っていることは最もなので納得はいきます。
しかもそれを強制しなくて、あとは自分次第ですよ、としてます。
水辺に馬を連れてくることはできるが、水を飲むかどうかは馬次第、ということです。
タイトルの「嫌われる勇気」とは、 人からの評価を気にして自分の行動を決めるのはほんとの自由じゃない、ほんとの自由でなければ他人との対等な関係は築けないということなんですね。
他にもいろいろと示唆に富む指摘が次々に出てきて、哲人は青年の問いに丁寧に答えていきます。
青年の卑屈な質問がずっと続くのがちょっと気分が悪いですが、テレビで拝見した岸見先生の穏やかな姿が浮かび、先生と話しているような気持ちになります。
印象に残ったのは、最後の方の、普通である勇気というくだりで、特別なことをしたり特別な存在であろうとする必要はなく、普通の、凡人の自分でいいんだと自己受容することの大切さを説いているところです。
アドラー心理学は受け入れるのにある意味勇気が必要ではありますが、最終的には悩める人に寄り添った、ただ単に合理的な論理でない優しさを内包していると感じました。
普段は意識してなくても、何かに悩んだり迷ったりしたときに思い出し、前に進むヒントになればいいなと思います。
肩こりにこそ、鍼灸。
肩こり改善に鍼灸治療はとても向いています。
治療している側からすると普通に思えていましたが、鍼で肩こりがよくなるの?!というリアクションも受けることがありますので、あらためて肩こりについて触れてみようかと思います。
肩こりの原因は、肩や首の筋肉が硬直して動きが悪くなり、血流が阻害されて痛みを感じる物質が生じることで起こります。
長時間同じ姿勢を取り続けていることが特によくないです。
人の頭部は5~6kgもあるのですが、支えているのは骨では頸椎だけ。
骨以外を筋肉がバランスを取りながら支えています。
眠くなったり、酔っ払ったりしたとき、首が不安定になってがくんとうつむいたり、上を向いたままになったりしますね。
コントロールを失えば、容易に首は真正面を向くことができなくなります。
つまり、普段日常生活を送っている間は絶え間なく筋肉が働いて、見たいものをきちんと見られる位置に頭を据えているのです。
筋肉が伸び縮みする動きによって、静脈の血管がポンプのように押されて心臓へ還流することができます。
同じ姿勢でいるということは、筋肉があまり動かないので静脈の流れが悪くなります。伸び縮みが激しくなくても、姿勢を保つだけで筋肉は疲労していきます。
それをよくするには新しい血液が必要ですし、乳酸などの不要なものは取り除きたい。でも血流が悪いのでその供給と排出がうまくいかなくなる。
そうすると、筋肉はしなやかさを失い、痛みを感じるようになるのです。
東洋医学的には、肝虚証などで不要な熱(虚熱)が発生し、(熱は上昇する性質があるので)からだの上部、つまり肩や首に停滞することで肩こりが起こると考えます。
この熱の停滞が激しくなると、頭痛や耳鳴りなどの症状が引き起こされます。
逆に言うと、頭部の症状のおおもとには肩こりがあることが多いです。
肩こりは仕方ないとあきらめていると、思わぬ不調に悩まされるかもしれません。
それで治療はというと、まずは本治法で虚熱の発生原因をおさえます。
肝虚証、肝実証、脾虚証など、証に合わせて治療を行います。
その後、熱の停滞を取り除くような治療を行います。
ひとつは、凝っているところを通っている経絡上の経穴を取る(循経取穴)こと。
首や肩は様々な経絡が通っているので、そのうちのどれに一番影響が出ているか見て、熱を取るのが得意な経穴に鍼をすることで、熱をさばいていきます。
もうひとつは、凝っているところを直接緩めること。
鍼を軽く当てる(接触鍼)ことで硬くなっていた筋肉に刺激が伝わり、動きを良くします。
強い痛みを感じたり深く刺したりすると、からだが警戒モードになってかえって筋肉が緊張して硬くなるので、そう感じる手前のわずかな刺激のみ与えるようにします。
さらに、お灸で仕上げます。
お灸の熱により、停滞していた余計な熱を取り除き、温めることで血流を改善します。
それにより鍼の治療で緩んだ首や肩を、さらにやわらかく整えていきます。
この、本治法→循経取穴→患部への接触鍼→お灸という組み合わせで、からだへの負担がほとんどないままに肩こりを改善することができます。
力を使わないので揉み返しもなく、治療も痛くなく、むしろ気持ちよいくらい。
ただ単に肩こりに鍼灸治療をお勧めする内容になってしまい、オチもないですが、肩こりの治療は効果が表れやすく、鍼灸治療をやったことがない方にも入りやすいかと思います。
肩こりにお悩みの方は、ぜひ試していただきたいなと思います。
五十肩は肩こりより病が深いのです。。
今やっている健康法は、余計なおせっかいかもしれない。
前回の話の続きのような感じになりますが、からだによいものっていろいろありますよね。
黒酢やニンニクを使ったサプリ、アーモンドがお肌に良いとか、 ヨーグルトで免疫力を上げるとか。
また反対に、食べない方がよいと言われるものもあります。
トランス脂肪酸の使われているマーガリンとか、ソーセージなどの加工肉にはリン酸塩が入ってるからよくないとか。
様々な情報をもとに、摂るべきもの、避けるべきもの、いろいろ考えて日々の食事を考えています。
食べ物以外でも、水を飲むとか、有酸素運動をするとか、趣味を持つとか、まあいろいろあります。
でもそれらが、本当にからだのためになっているのかどうかは、案外わからないんですね。
よいとされることでも、例えば同じものをひたすら食べるとか、運動しすぎるとかになるとからだに負担になっているかもしれません。
からだをコントロールしているのは基本的には脳です。
白子のようにうねうねしているのが脳、と思われがちですが、その部分は大脳といわれる部分で、その内側には大脳辺縁系、脳幹(間脳、中脳、延髄、橋)、小脳があり、それらすべてまとめて脳と言います。
脳幹は原始的な哺乳類にもある、生命維持に必要な機能をコントロールしているところです。
呼吸、血圧、心拍、消化吸収、唾液分泌、嚥下(飲み込み)、咳、嘔吐、排尿、呼吸、筋運動調整、平衡感覚調節、眼球運動、自律神経調節、体温調節、摂食飲水、概日リズムなどを絶え間なく制御しているのです。
小脳は運動の調節を担っていて、平衡感覚や姿勢の維持、筋運動の学習(スポーツ)も小脳のおかげです。
大脳辺縁系は本能や情動、記憶に関わります。
ではいちばんでかい白子状の大脳はなにをしているのかというと、ただ単に生命を維持するのではなく、よりよく生きるための働きを担っています。
厳密にいうと、大脳の表層部である大脳新皮質というところになります。
そこでは、意志や理性、知性をつかさどって、人間らしく生きるために神経細胞を張り巡らして活動しています。
要するにいろいろ考えたり、行動したり、コミュニケーションをとったりするのが大脳の役割です。
なので、大脳はからだのことは詳しくありません。
でも大丈夫です。
例えば水分が不足すると、脳幹が「のどの乾いた感じ」として教えてくれるので、水を飲むという行動にでればよいだけです。
いちいち、今日は朝みそ汁と水を一杯飲んだから昼前にお茶を一杯飲まないとちょっと足りないな、などと考える必要はなくて済むんですね。
3時間前にトイレに行ったからそろそろ行かないとやばい、なんて考えなくても、尿が溜まってくると、トイレに行きたいなと、しかも段階を経て教えてくれます。親切。
そういうからだからのメッセージに素直に従っていればいいんですが、けっこうざっくりしてるので、うまく受け取れないことも多いんですね。
ただでさえ、大脳はあれこれ考えてしまう癖があります。
そのため、これがからだによいだろうと思ったことも裏目に出たりしてしまいます。
最近汗かいてないからサウナ行こう→脱水症状とか。
それに、からだからのメッセージを正しく受け取れないこともあります。
お腹空いた→パン食べよう→栄養が足りてないから満腹中枢働かず→またパン食べる→だから栄養足りてないんだって!!みたいな、会話が成り立ってないような状況になったり。
健康法も然りで、よかれと思ってやったことなのに、からだはそうじゃないんだよなーとつぶやいているかもしれません。
あれこれ健康法を試すのもよいですが、からだのメッセージを読み解くように心がける、つまり丁寧に生活することも大事ではないかと思います。
からだとよりよい関係を築けたらよいですね。
3大栄養素はどれも必要です。
からだにいいものといって何が思い浮かぶでしょうか?
最近は納豆、アーモンドなど取り上げられているのでしょうか。
特定の病気にかかりにくくなる食品はこれ、みたいなものも紹介されると流行ったりしますね。
結論から言うと、どの食べ物も、だいだいからだによいです。
それに流通している食品は、厚生労働省の設定しているそれぞれの基準を満たしていますので、食べていけないものはありません。
問題になるのは、食べ方とかその量ということになります。
食べ方という点では、まずは人のからだに何が必要かということになりますね。
家庭科でも習った、3大栄養素の糖質・脂質・たんぱく質です。
これにビタミンとミネラルが加わると5大栄養素と言われます。
糖質のはたらきは、からだのエネルギー源。血糖値に影響。
脂質のはたらきは、エネルギーの貯蔵、細胞膜、臓器、神経細胞、ホルモンの材料になる、脂溶性ビタミンの吸収を助ける、保温、潤いの維持など。
たんぱく質のはたらきは、血、筋肉、爪、髪、皮膚などの材料、膠質浸透圧の維持、神経伝達物質、免疫細胞や酵素やDNAなどを構成してからだの働きを支えるなどです。
3大栄養素はそれぞれはたらきが異なるので、どれもまんべんなく摂る必要があります。
糖質制限ダイエットが流行り、糖質が太る元であり、糖質を食べなければ脂肪からエネルギーを摂るようになるので痩せられるという説が語られていますが、正しく実行するのは難しいと言えます。
たしかに、余った糖質(ブドウ糖)は肝臓でまずグリコーゲンにされて肝臓や筋肉に貯蔵されたのち、それでも使われない場合は中性脂肪になります。
食事で摂取した糖質が足りないと、まずはグリコーゲンからエネルギーを取ります。
ブドウ糖はグリコーゲンになる際その4倍もの水を取り込みます。
糖質制限を始めたばかりのころは、グリコーゲンがブドウ糖に還元されるときにその水分が排出されるため、ぐっと体重が減ります。
糖質制限ダイエットって、いいじゃん!となる段階です。
でもこの時点では脂肪は減っていません。
そもそもからだのエネルギー源は糖質、という前提でからだは運営されているのであり、脂肪は非常用として蓄えられています。
そのため、そうそう使わないようになっています。
この非常用エネルギーを使うということは、からだにとっては非常事態なわけで、糖質を取らない、というのはからだに非常事態宣言をすることです。
脂肪から必要なエネルギーが順次消費されればよいのですが、非常事態なので、からだはそんな冷静ではありません。
なにしろブドウ糖が不足すれば司令塔である脳が働くなるので、これはもう一大事なのです。
そのため脂肪ばかりか筋肉(たんぱく質)を分解してエネルギーを得ようとしたりなど、からだは必死になります。
筋肉が落ちてエネルギー消費効率が悪くなり、よけい痩せにくくなるとかなんて、構っていられません。
今!ブドウ糖が必要なんだよ!ってなっているのです。
また、非常事態なので、通常業務もおろそかになります。
からだのあちこちでの働きが悪くなり、結果体調を崩しやすくなります。
同じように、脂質の摂取が足りない場合、たんぱく質の摂取が足りない場合も同様にからだに負担がかかります。
負担で済まなければ体調を崩したり、さまざまな病気を引き起こします。
3大栄養素のうち、たんぱく質が大事そうなのはなんとなく理解できる一方、糖質は脂質に置き換えてもいけそうなイメージがあります。
しかし脂質でまわるならからだはとっくにそうしているはず。
糖質のはたらきがエネルギー源に特化しているということには、大きな意義があります。
安易に減らしたりせず、他の栄養素も含め毎日バランスよく食べるようにしてほしいと思います。
何をどれだけ食べればいいのか、今の食事は足りてるのか多いのかわからないなと思う時は、基本にかえってみるのもよいですね!
参考になります。↓